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中国の建設機械業界 、2024 年上半期の運営状況

 中国工程(建設)機械工業協会:2024年8月19日

 2024年8月19日、中国(北京)国際建設機械、建築機械及び鉱山機械展示会(以下、BICES2025)の記者会見が北京で行われた。記者会見では、中国機械建設工業会 (以下、協会)の蘇子孟会長が、「2024 年上半期の建設機械産業の運営と BICES2025 の見通し」について基調講演を行った。

1.2024 年上半期の建設機械業界の経済運営

 2024 年上半期、建設機械業界は党中央委員会、国務院の決定と取決めを着実に 実施し、国内不動産業の持続的な衰退や国際市場環境の変化などの多くの要因の影響 に対して積極的に対応し、困難を克服し、一生懸命働き、業界全体の経済運営は安定 させ、質の高い発展をしっかりと推し進めることで、ハイエンド化、インテリジェン ト化、グリーン化の発展の成果を上げている。

(1)主要建設機械 12 カテゴリーの主要製品の販売台数は、底辺で安定する特徴が見ら れている。

 今年上半期、協会の統計に含まれる 12 カテゴリーの主要製品の国内外での販売 台数は 968,900 台で、前年同期比(以下、同比)4.58%の増加である、その内、国内 販売は累計 59,710 台で、同比 0.31%の増加である。輸出累計は 37,170 台で、同比 12.3%の増加であった。

 注目すべきは、マクロコントロール政策が加速する中、、インフラ建設に密接 に関連する掘削機とローダーが底を打ち、国内市場での掘削機の販売台数は 5 月 以降毎月プラス成長を達成しており、底打ち傾向は明らかである。
 主要製品輸出の主要 12 カテゴリーのうち 10 カテゴリーがプラス成長を達 成し、その内、舗装機は 89.5%増加し、掘削機とトラック搭載クレーンのみがマ イナス成長を示している。

(2)建設機械の輸出台数は、ベースの増加を背景に着実な成長を続けている。

 2024 年上半期、中国の建設機械の輸出入貿易額は同比 3.13%増加の 271 億 3,400 万米ドルである。 この内、輸入額は同比 1.65%減少の 12 億 9,700 万ド ル。 輸出額は同比 3.38%増加の 258 億 3,700 万ドルであった。 貿易黒字は 245 億 4,000 万ドルで、同比 8 億 6,700 万ドル増加している。
 人民元建ての輸出額では、6 月の輸出は前年同月比 8.27%の増加となった。 上半期の輸出額は同比 7.24%増となった。

(3)協会の主要連絡先企業の主な経済指標は相対的に安定している
 2024 年上半期、協会の主要連絡先企業の売上高は高水準で推移し、累積で 同比 0.14%増加している。総利益は引き続き回復成長を達成し、累積で同比 3.87%増加している。売掛金は同比 1.61%の増加、在庫は 6.14%減少となってお り、業界の営業リスクは概ねコントロール可能となっている。

 また、上半期には、協会の主要連絡先企業の従業員数は 1.05%増加し、総給 与は 10.7%増加し、従業員数は引き続き安定している。特に、洪水や冠水の自然 災害に対し、業界企業は積極的に行動し、緊急災害救援に参加し、社会的責任を 履行している。

(4)業界は、ハイエンド化、インテリジェント化、グリーン化への構造転換を加速 し続けている
 現在、建設機械の一部の分野の市場需要は圧力を受けているが、うれしいことに、 建設機械の市場需要はハイエンド化、多様化、個性化(パーソナライズ)の特徴を呈 しており、大多数の顧客のさまざまなニーズを満たすために、業界のコア競争力をさ らに強化し、先を争って将来の競争力の頂点と競争上の優位を構築し、業界企業が多 種多様な悪影響を克服し、デジタル化の構造転換、インテリジェント化のグレードア ップの加速を続けており、グリーン製造、グリーン製品、グリー施工を整然と進めら れている。

 協会の統計によると、電気駆動のローダー、フォークリフト、昇降作業台な どに代表される電動建設機械は大幅に成長している。2024 年上半期の電動ロー ダーの累計販売台数は同比 361%増加の 5,114 台である。電動フォークリフトの 販売台数は 468,557 台、同比 24.2%の増加で、フォークリフト総販売台数の 70.8%を占めている。昇降作業台の電化率は 90%を超えている。

 バッテリー、電気駆動及び制御システムの研究開発と製造能力の大幅な向上 に伴い、電動オフハイウェイダンプトラック、掘削機、クレーン、ブルドーザー、 コンクリート機械などが大量生産され、使用されている。

 一部の大型化、インテリジェント化建設機械製品が数多く市場に投入されており、 主要なエンジニアリングプロジェクトやインフラ建設で重要な役割を果たしている。

(5)主な問題と課題

 今年の上半期を見ると、一部の建設機械製品ラインの需要が低迷し、注文が不 足しているため、市場競争が激しくなり、製品価格が下落し、売掛金の回復困難 が依然として存在している。
 協会の統計によると、フォークリフトファクターを除く 12 カテゴリーの主要製 品の合計売上高は同比 10%の減少である。その内、輸出台数は 2.23%増加し、国内 市場の売上高は 18.6%減少し、9 カテゴリーの製品の売上高はマイナス成長を示 しており、企業経営と業界の持ち直しは依然としてさまざまな困難と課題に直 面している。加えて、世界経済の成長の勢いの欠如と外部環境の複雑さ、深刻さ、 不確実性の増大と相まって、業界のすべての企業は、国内外の状況の変化を引き 続き把握し、市場メカニズムを遵守し、需要を牽引するよう提案する。

 戦略的なガイダンスを遵守し、オープンな協力を行い、主要なビジネスを強 調し、洗練された管理を行うこと。 問題志向のボトムライン思考を堅持し、安 安定成長を維持しながら進歩を追求し、革新的発展に努めること。 積極的に方 法を変革し、構造を調整し、品質を向上させ、効率を高め、地域の状況に応じて 新しい質の生産力を発展させ、近代化の産業システムの構築と業界の高品質な 発展の促進に貢献することが必要である。

2.建設機械業界の運用動向の見通し
2024 年後半を見据えると、中国全体の長期的な経済回復の基本的な傾向は 変わっておらず、建設機械業界の安定稼働と質の高い発展を支える好材料が集 まり、増え続けている。

マクロコントロールの取り組みの強化に伴い、政策効果が重なり合い、特に 大規模な設備更新により、建設機械の効果的な市場需要が解放され、建設機械業 界の開発環境は着実に改善されて行くであろう。

外部環境の変化による悪影響が増大し、国際情勢は深刻で複雑ですが、中国 の建設機械技術、製品、サービスが国際的なユーザーからますます認識され、認 可され、産業企業の海外事業配置の継続的な改善とアップグレードにより、業界 の輸出量は下半期も高水準を維持するであろう。

 下半期も建設機械業界の経済運営は全体的に安定・回復を続け、着実な進行 の趨勢が引き続き維持されると予想される。長期的には、業界の発展に対する自 信と決意は同時にあり、機会と課題は共存するが、機会は課題よりも大きく、有 利な条件は悪影響よりも大きく、建設機械業界全体は安定した前向きな傾向を 示している。

今年は中華人民共和国の建国 75 周年であり、第 14 次 5 カ年計画の実施に とって重要な年である。 建設機械業界は、習近平思想の「新時代の中国の特色 ある社会主義」の指導を堅持し、中国共産党第 20 回全国代表大会と第 20 回中 央委員会第 20 回会議及び第 3 回全体会議の精神を着実に実施し、質の高い発展 の主要な課題をしっかりと把握し、科学技術革命と産業変革の新たなラウンド によってもたらされる産業発展の新たな機会をしっかりとつかみ、市場環境の 新たな変化に積極的に適応し、自信、結束、勤勉を強化し、中国式近代化の全面 的な強国建設を推進し、民族復興の偉業に新たな貢献をするために積極的に行 動する必要がある。

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