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三菱ロジスネクスト、24年4〜6月売上は0.1%減の1,659億円、24年度予想6,800億円(3.1%減)は据え置き

 三菱ロジスネクストが8月6日に発表した2025年3月期第1四半期(4〜6月)連結業績によると、売上高は、価格適正化効果や為替の円安影響があっ たにも関わらず米州のエンジン認証遅延による一部機種の出荷停止や市場の減速もあり、1,658億8千5百万円 (前年同期比0.1%減少)となった。利益面では、米州での売上減少や市場減速の影響により、営業利益は70億8百万円(同32.1%減少)、経常利益 は58億9百万円(同39.7%減少)となった。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は、固定資産の譲渡に伴う売却益の特別利益への計上もあり、77億8千1百万円(同17.8%増加)となった。
なお、のれん等償却の影響を除くと、営業利益は96億7千9百万円(同24.6%減少)、営業利益率は5.8%(同 1.9ポイント減)となっている。

 第1四半期における世界経済は、ディスインフレの進行が鈍化しその成長は足踏み状態にある。米国の景気拡大ペースは減速し、中国は長引く不動産不況の中で一時持ち直した景気も再び停滞している。また、ウクライナ侵攻や中東情勢といった長期化する地政学上のリスクもあり、景気の動向は地域ごとに様々。一方、我が国経済は、価格転嫁の進展などもあって企業の景況感は良好、設備投資意欲も底堅いものの、物価上昇により実質賃金の上昇が感じられず個人消費は伸び悩み、景気は横ばいで推移している。
 このような中、フォークリフトを始めとする物流機器市場は、国内においては、引き続き安定的・堅調に推移している。海外においては、米州で底堅かった需要も弱含みに推移しており、一時回復基調にあった欧州においても減少傾向に転じている。堅調だったアジアもここに来て弱含みに推移しており、中国は景気停滞にあって物流機器需要における市場環境も大きく変わってきている。

 同社においては、大きな課題だったリードタイムの長期化は生産整流化による短縮が進んだことで解消し、ほぼ適正水準となっており、加えて、インフレ下における価格適正化により業績の改善も進めてきた。安心・安全、自動化・自律化、脱炭素といった物流機器市場のニーズの高まりにも応えていく中で、米州におけるエンジン認証遅延により5月以降一部機種の出荷停止もあったが、足許では主力機種については当局との調整の結果、出荷を再開して挽回に努めている。しかし、世界経済の成長が鈍化する中で、米国大統領選挙の行方や中国を含むサプライチェーンに対するリスク、金利や為替の動向、地政学上リスクの長期化などにより、不確実性を増す世界経済の先行きは不透明で予断を許さない状況となっている。

■セグメントごとの経営成績
(国内事業)
 国内事業は、受注が堅調に推移する中、価格適正化の効果も寄与したことから、売上高は464億4千7百万円 (前年同期比3.9%増加)となった。セグメント利益は、輸出部門での米州向け売上減少や研究開発費等の経費の増加もあって、2億7千2百万円(同84.5%減少)となった。
 なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は14億9千万円(同49.9%減少)となっている。

(海外事業)
 海外事業は、為替の円安影響はあったものの、米州でのエンジン認証遅延による一部機種の出荷停止、地域によっては市場の減速などもあって、売上高は1,194億3千8百万円(前年同期比1.6%減少)となった。セグメン ト利益は、売上高の減少及びインフレ等における経費の増加により、67億3千5百万円(同21.3%減少)となった。
 特に海外事業の前年同期は、部品欠品が解消されていく中で生産を拡大、出荷を促進して、加えて価格適正化効果の寄与もあり、売上高並びにセグメント利益を大きく伸長させたが、それに反して当期は、米州での一部機種の出荷停止や市場の減速などがあったために、売上高、セグメント利益ともに減少している。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は81億8千8百万円(同16.9%減少)となっている。

■ 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 連結業績予想については、2024年5月8日に公表(下記)値を据え置いた。

 2024年度(2025年3月期)の連結業績については、売上高6,800億円(前期比3.1%減)、営業利益380億円(同10.8%減)、経常利益330億円(同12.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益290億円(同5.4%増)を見込んでいる。

 三菱ロジスネクストの2025年3月期第1四半期決算短信

 

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