オークマが8月5日に発表した2025年3月期第1四半期(4〜6月)連結業績によると、受注額は48,267百万円(前年同期比1.0%減)、売上高は 45,329百万円(同10.4%減)、営業利益は3,066百万円(同44.7%減)、経常利益は 3,609百万円(同40.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,436百万円(同47.6%減)となった。
第1四半期におけるオークマグループの経営環境は、地政学的リスクやインフレの継続等、世界経済の先行きが不透 明な中、工作機械の需要は国内、海外とも下げ止まりから横ばいで推移する展開となった。
こうした事業環境のもと、オークマグループは「中期経営計画2025」に基づき、高精度・高効率生産とエネルギー消費量削減を自律的に両立し脱炭素化に貢献するオークマグループの工作機械を「Green-Smart Machine」として位置づけ、自 動化やものづくりDXソリューションと共にグローバルに展開して受注獲得に注力すると共に収益力改善、資本効率 向上を図り、ものづくりを巡る社会課題の解決を通じて企業価値向上に努めた。
地域別の市況については、日本はさまざまな産業、顧客層で引き合いが増え始め、投資再開の時期を探る動きが 見られた。
米国は大手企業からの需要は底堅く推移したが、中堅・中小事業者では金融緩和の時期を意識し設備投資の 先送りが続いた。
欧州は、サプライチェーンの再配置の動きが一巡する中、中国等、海外経済の減速による欧州主要国の輸出産業の不振もあって、工作機械の需要は弱い動きが続いた。
中国は不動産不況の影響を受け、設備投資を控える動きが続いたが、大手EVメーカーからの大型投資案件が下支えとなる中、産業政策により一部の産業では設備投資を再開し始め、また上海で開催されたCCMT2024(中国CNC 工作機械展)への出展等、販売促進に努めた結果、底堅い需要につながった。
その他のアジアにおいては、国や地域により濃淡はあるが市況は緩やかな回復傾向が続いた。
利益面については、工作機械需要に伸びを欠く展開が続く中、部材コストの高止まりに対し、内製化の拡大等、生産の効率化に注力すると共に、販売価格への転嫁にも努めた。他方、操業度は回復途上であり、利益の下押し要因となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
通期連結業績予想は、今後、緩やかに持ち直し、下期に向けて需要回復が進むことが期待され、労働人口減少、脱炭素化等、社会課題への対応に伴う需要は中長期的に底堅く推移することが見込まれることから、2024年5月10 日に公表した連結業績予想(下記)は据え置いた。
2025年3月期連結業績予想は、売上高2,150億円(前期比5.7%減)、営業利益215億円(15.2%減)、経常利益220億円(同13.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益155億円(同20.0%減)。