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日立建機、24年4~6月売上収益は 3.9%増の3,282億円、通期予想1兆3,700億円(2.6%減)は据え置き

 日立建機が7月26日に発表した2025年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、売上収益は 3年連続で過去最高を更新す る3,282億1千7百万円(対前年度増減率3.9%)と増収となった。利益項目については、原価低減や販売価格の引き上げに引き続き取り組んだことに加え、為替が円安基調で推移した影響もあったものの、物量の減少や人件費、研究開発費の増加などが影響した結果、調整後営業利益は、 325億4百万円(同△13.5%)と減益となった。また、親会社株主に帰属する四半期利益についても、営業利 益の減少や法人所得税費用の増加により、245億8千3百万円(同△21.8%)となった。

 日立建機グループは、2026年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画「BUILDING THE FUTURE 2025 未来 を創れ」のもと、①顧客に寄り添う革新的ソリューションの提供、②バリューチェーン事業の拡充、③米州事業 の拡大、④人・企業力の強化、の4つの経営戦略を掲げて、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいる。

 第1四半期における油圧ショベル需要は、金利の高止まり等の影響を受けている西欧や、主要国で顧客の投資意欲の鈍化が見られたアジア、公共投資や民間設備投資が安定的に推移したものの需要の減少した日本など、全般的に減少した。

 マイニング需要は、小型のマイニングショベルは厳しい状況が続いたものの、資源価格が健全なレベルで推移し顧客の高い投資意欲が継続したこと、さらに高い稼働率に伴うオーバーホール需要および定期メンテナンス需要に支えられ、超大型機械については比較的堅調に推移した。

 このような環境下、日立建機グループは、2022年3月から本格的な独自展開を進めている米州事業や、これまで注力してきたマイニング事業およびバリューチェーン事業が堅調に推移した。米州事業においては、代理店の在庫積み上げが一服したことを背景に、独自展開分の売上収益では、大きく伸長した前年同期比で微増にとど まったものの、最終顧客向けのリテール販売シェアは着実に増加している。これらの結果に為替影響等も加わった。

 なお、2024年3月期第4四半期連結会計期間より、IFRS会計基準に即して、スペシャライズド・パーツ・サー ビスビジネスセグメントにおけるノンコア事業を非継続事業に分類している。
 これにより、第1四半期連結累計期間および前第1四半期連結累計期間について、売上収益、調整後営業利益、営業利益、税引前四半期利益 は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示し、四半期利益及び親会社株主に帰属する四半期利益は、継続事業 及び非継続事業の合算を表示している。

 日立建機2025年3月期第1四半期データ

■セグメントの業績
①建設機械ビジネス
 第1四半期における売上収益は2,981億1千1百万円(同4.3%)、調整後営業利益は290億7千4百万円(同△14.1%)と増収減益になった。
米州事業が前年度から引き続き拡大しているほか、コンストラクション・マイニング事業ともに、部品サービスを中心としたバリューチェーン事業も好調に推移し、前年同期比で売上収益は伸長したが、物量の減 少に加え、人件費や研究開発費が増加したこと等により、調整後営業利益は減少した。

②スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス
 同事業は、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken Pty Limited及びその子会社と、サービスソリューションを提供するH-E Parts International LLC及びその子 会社で構成されている。

 第1四半期における売上収益は、マイニング市場が堅調に推移した結果、318億2百万円(同 1.4%)と増収になった。調整後営業利益は、人件費が増加したこと等により、34億3千万円(同△7.9 %)と減益になった。
なお、上記、①②の売上収益については、セグメント間調整前の数値。

■ 今後の見通し
 2025年3月期通期の油圧ショベル需要については、日本や北米は引き続き安定した公共投資や民間設備投資等が追い風となり、高い水準を維持すると見込む。一方、金利の高止まり等の影響を受ける西欧や、総選挙を終えたものの未だ先行きが不透明なインドでは、前年度比で大幅な減少を見込む。また、中国では前年度並みの低い需要水準で、回復の兆しは見られない。これらを勘案し、世界全体の油圧ショベル需要は約20.6 万台(前年度比△7%)と、前回4月公表時点の通期の見通しから若干下方修正した。

 また、マイニング製品の通期の需要は、一般炭価格が落ち着き、中小鉱山の投資意欲の低下が見込まれることなどから、小型のマイニングショベルは前年度に続き減少すると見込む。一方、大型のマイニング機械については、大手鉱山やハー ドロック向けの需要が底堅く推移すると見込んでいる。

 2025年3月期連結業績予想(2024年4月~2025年3月)の前提として、海上輸送遅延や資材費・物流費 の高止まりに加え、持続的発展のための人的資本投資の強化に伴う人件費増を見込む。さらに、現時点では市況を慎重に見ており、特に欧州等の需要減のリスクを業績予想に織り込んでいる。

 日立建機としては、今後も引 き続き原価低減および販売価格の引き上げに取り組み、注力している米州独自事業、マイニング事業およびバリ ューチェーン事業の成長により、新車需要に左右されにくい安定的な収益体質への転換を図る。

 以上の前提に加え、第1四半期業績は概ね4月公表時点での想定に沿った結果であったことも踏まえ、2025年3月期連結業績予想(下記)は、前回4月公表時点の見通しを据え置いた。

 2025年3月期(2024年度)連結業績予想は、売上収益1兆3,700億円(前期比2.6%減)、調整後営業利益1,650億円(同1.8%減)、税引前当期利益1,510億円(同5.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益980億円(同5.0%

 また、業績予想を前提とし、株主還元についても年間配当1株当たり175円の計画を維持。業績見通しの前提となる為替レートについても、米ドル141円、ユーロ152円、人民元20.1円、豪ドル 95円を据え置いた。

 日立建機の2025年3月期第1四半期決算短信

 決算説明会資料

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