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住友商事、米国AIロボットのユニコーン企業Dexterityとの合弁会社を設立

・「物流2024 年問題」をAI搭載の荷積みロボットで解決へ

    住友商事は7月19日、同社と米国のユニコーン企業であるDexterity, Inc.(以下、Dexterity)は、日本においてAIロボティクスソフトウェアの販売を行うDexterity-SC Japan合弁会社(以下、Dexterity-SC Japan)を設立したと発表した。

■物流業界の問題と、住友商事のこれまでの取り組み
 物流業界では、Eコマース市場拡大に伴い宅配便取扱個数が急増する中、労働力が不足する問題を抱えている。加えて「物流2024年問題」により、輸送能力は2024年度に14%、2030年度には34%減少すると試算されている。

 このような問題を背景として物流業界では、ロボットの活用による省人化・自動化の取り組みが積極的に行われている。米国でも、人間に代わって作業を行うAI搭載ロボット開発のスタートアップが2010年以降に複数誕生した。中でも2017年に誕生したDexterityは、米国の大手物流企業向けを中心に実績を積み重ね、2021年10月には約14億ドルの評価額を達成しユニコーン企業となっている。

 住友商事は、米国のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるPresidio Ventures Inc.を通じて2020年にDexterityに出資、2022年には日本向けの総代理店契約を締結した。2023年12月からは、SGホールディングス、佐川急便を含めた4社で「AI搭載の荷積みロボット」の実証実験を行う共同プロジェクトを発足して、早期の実用化を目指している。

■Dexterityの強みと、合弁会社設立の目的
Dexterityは、既存のハードウェアに組み合わせる独自のAI、コンピュータビジョン、制御技術を開発している。その技術は、従来のロボットに比べて、高速動作や協調動作、複雑動作を可能とし、人的作業でしか実現できなかった工程の自動化を実現するものとして注目されている。Dexterity独自の技術として、トラックやコンテナ向けの荷積み作業を自動化するソリューションがある。

 Dexterityのソフトウェアを本格的に販売していく上で、日本におけるサポート体制の構築、日米の顧客や施設の違いによるカスタマイズへのスピーディな対応など、販売代理店の枠を超えた取り組みを行うため、共同出資による合弁会社を設立した。

 Dexterityが持つ技術力と米国における販売実績、住友商事が持つ国内の顧客ネットワークとグループ会社の三井住友ファイナンス&リースと連携したファイナンス機能などを活かして展開していく。

■今後の展開について
 今後、Dexterity-SC Japanは、日本国内におけるDexterityのソリューション販売を中心に活動していく。また、グループ会社を含めた住友商事の物流拠点とも連携していく。住友商事はRobotics as a Service(RaaS)事業を通じて、国内の物流業界の効率化・高度化に貢献する。

<会社概要>
社名:Dexterity-SC Japan
本社:東京都千代田区大手町1丁目6−1 大手町ビルヂング 6階
代表:尾山 昌太郎
設立:2024年6月
事業内容:AIロボティクスによるソリューションの提供とロボットの販売

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