・バッカス・バイオイノベーションの第三者割当増資引き受けによる連携強化
■背景・目的
バイオものづくりは微生物を活用し、医薬品や素材、エネルギー、食品など幅広い分野の製品を生み出す手法で、経済協力開発機構(OECD)によると、2030年には世界の市場規模が200兆円に達すると試算されている。
日揮HDとバッカスは、将来市場の拡大が見込まれるバイオものづくりに向けて、共同で微生物の開発・改良から生産プロセスの開発までをワンストップで手掛ける統合型バイオファウンドリ®事業を推進している。同事業を通じて、これまで数十年かかっていた微生物の開発から商業化までの期間を1/10以下に短縮し、社会実装に向けた時間とコストを大幅に削減することを目指す。
■研究開発拠点の新設について
日揮HDは、バッカスの研究開発拠点にも至近となる研究開発用地(面積:約10,000㎡)をポートアイランドに取得し、世界初のガス培養技術開発拠点である「バイオプロセス研究所」(通称:JBX)を新設する。
JBXでの研究開発で用いる微生物は、二酸化炭素(CO2)をものづくりの原料として利用できる水素酸化細菌を想定しており、こうしたガス発酵において、日揮グループが長年培ってきた安全にガスを取り扱うハンドリング技術が不可欠となる。
研究開発拠点の新設は、神戸市が推進する神戸医療産業都市にも合致する取り組みであり、今後も産官学の連携により神戸を中心にバイオものづくり企業や人材、アカデミア等が集結するエコシステムを形成し、世界に向けてバイオものづくりの社会実装を推進していく。
なお、研究所の新設は、日揮HDとバッカス、㈱カネカ、㈱島津製作所の4社が共同提案した「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」プロジェクトの一環として行うものであり、同プロジェクトは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた国家プロジェクト『グリーンイノベーション基金事業 / バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進』として採択されている。
■ バッカスの第三者割当増資引き受けについて
日揮HDは、バッカスとの協業関係をより強固なものとし、統合型バイオファウンドリ®事業を強力に推進すべく、バッカスの第三者割当増資を引き受けた。バッカスとの協業は、化石資源からの脱却によるCO2削減のみならず、わが国の資源制約等の課題解決に貢献するものであり、エネルギー・トランジション、資源循環などの面で、日揮HDが長期経営ビジョン「2040年ビジョン」の道標とするパーパス “Enhancing planetary health”に合致する。
日揮HDは、この統合型バイオファウンドリ®事業を2040年ビジョンで掲げた「ビジネスモデルのトランスフォーメーション」における非EPC事業として確立し、収益の多様化を実現していく。
<バイオプロセス研究所研究棟 1棟目(JBX1) の概要>
建設予定地:兵庫県神戸市中央区港島南町7丁目3番7
着工予定:2024年8月
竣工予定:2025年12月
延床面積:約4,000㎡
主要設備:生産プロセスの段階的なスケールアップ、生産実証を実現するために、数リットルから数百リットルのベンチスケール培養槽を棟内に整備。研究が順調に進む前提で、同用地内に、2棟目(JBX2)の建設も計画。
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