・静岡県内の建築物では初
・エネルギー消費量を実質ゼロに、サステナブル工場の実現へ
菊川南工場は、同社が製造する工作機械のコア部品「スピンドル」の生産拡大などを目的に建設する。2024 年7月着工、2025 年 11 月の稼働開始を予定。地球環境に配慮した工場として、エネルギー使用効率を高める設計としたほか、高断熱性能を持つ外皮(外壁・屋根・窓) 、高効率空調機器、地中熱を利用するアースチューブ設備※4などを採用する。加えて、屋根面には太陽光発電パネル約800kW を設置。高水準の省エネ、創エネを実現するための設計・設備を取り入れ、一次エネルギー消費量を従来建物比で 112%削減する計画。
また、ビル・エネルギー・マネジメント・システム(BEMS)により使用電力量を見える化し、継続的に消費電力の削減に取り組みます。製造現場では、作業者の負荷軽減を見据えたスマートファクトリーとして、製造ラインの自動・省人化を後押しする設備を導入します。環境配慮と事業活動の効率性を両立する、最先端のサステナブル工場を目指す。
同社は今後も環境に配慮した事業活動に取り組み、Scope1、2の温室効果ガス排出量を「2030 年度に 2013 年度比 46%削減」「2050 年度に実質ゼロ」とする目標を達成し、持続可能な社会の実現に貢献していく。
<建物の概要>
名称:菊川南工場(仮称)
所在地 : 静岡県菊川市三沢字北ノ谷1500-34(現菊川工場の敷地内)
機能 :コア部品の製造
構造概要:鉄骨3階建
建築面積 :約 10,300m2(約 3,120 坪)
延床面積 :約 13,700m2(約 4,150 坪)
総事業費 :約 100 億円
着工 : 2024 年7月
稼働開始 :2025 年 11 月(予定)
設計施工 :木内建設株式会社
※1「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル) 」の略称で、建築物が消費する年間の一次エネルギーを収支ゼロとすることを目指し、その性能を建築物省エネルギー性能表示制度である BELS 認定制度にて、指定機関が認証を行う。建物用途ごと従来の建物で必要となるエネルギー量の基準を定めており、その基準からの削減率に応じて大きく4段階に分類されるが、「ZEB」はその最上位ランクとなる。
※2 「建築環境総合性能評価システム」として、国土交通省、一般社団法人住宅・建築 SDGs推進センターが開発した、建築物の環境性能や品質を総合的に評価するシステム。建築物の環境品質・性能、環境負荷低減性等の評価項目をもとに、環境性能効率を算出。指定機関が S からCまでの5段階で評価を行い、認証する制度。
※3 7 月 11 日時点、以下 Web サイトに公表されているデータより。それぞれ第三者認証を取得している建築物に限る。
ZEB:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会(※事例データ一覧)
https://bels.hyoukakyoukai.or.jp/cases/list
CASBEE:一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター(※CASBEE 建築評価認証物件一覧)
https://www.ibecs.or.jp/CASBEE/certified_buld/CASBEE_certified_buld_list.htm
※4 地中に埋設した管を通して外気を室内に送り込む設備。地中は年間を通じて温度が安定しており、地中を通る際に冬の冷たい空気や夏の暑い空気を地中の温度に近づけることで、冷暖房の負荷を軽減する。