ヤンマーホールディングス(大阪市北区)が6月19日に発表した2024年3月期(2023年度)連結業績によると、売上高は前年度(1兆222億円)に比べ 5.8%増の1兆814億円となった。経常利益は前年度(618億円)に比べ30.1%増の804億円となり、 売上高経常利益率は7.4%。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度(419億円)に比べ 18.1%増の495億円となった。また、連結売上高に占める海外売上高は前年度(6,205億円)に比べ6.6%増加し6,613億円となり、海外売上高構成比は61.2%となった。
■セグメント別の概況
<産業用機械事業>
農業機械の国内市場においては、資材価格の高騰による需要の減退が影響し、売上高は前年度と比べ減収となった。一方、海外市場は、トルコ、ブラジルなど新興国市場において、前年度に比べ増収となった。
建設機械は、国内市場の底堅い需要に加え、海外市場において、特にブラジル、オセアニア地域を中心に売上高が好調に推移し、全体として前年度を上回った。
ガスヒートポンプについては、底堅い需要に支えられ、前年並みとなった。発電機は海外市場の旺盛なエネルギー需要を取り込み、売上高は全体として前年度と比べ増収となった。
<内燃機関及び関連機器事業>
同セグメントは、産業用エンジン、舶用エンジン、コンポーネントにより構成。
小形産業用エンジンについては、堅調な需要を背景に売上高は前年度を上回った。舶用エンジンについては、底堅い海運市場を背景とした建造需要を取り込み、売上高は前年度を上回る結果となった。トランスミッション、ギア、工作機械を中心としたコンポーネントについては、北米市場における需要減退の影響があり、売上高は前年度に比べ減収となった。
■今後の見通し
農業機械は、生産用資材価格の高止まりの影響で国内需要は伸び悩む一方、海外は新興国市場を中心に好調を維持することが期待される。産業用エンジン及び建設機械は、北米と欧州では在庫調整の局面にあり、中国も前年並みの需要水準が継続すると見込んできる。また、インフレや人件費の上昇などコストアップが継続し、為替レートが前期に比べ円高に推移すると想定するため、減益を予想している。今年度の取り組みとして、前年に 引き続き産業機械用バッテリー動力の開発や、カーボンニュートラル達成に向けた多燃料パワーソースに対応したエンジンの開発を加速させていくとともに、持続可能な社会を目指した「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」の取り組みを推進する。また次世代経営基盤構築に向けてDXの更なる促進やIT基盤構築の強化にも取り組んでいく。
2024年度(2025年3月期)の連結業績見通しについては、売上高1兆500億円(前期比2.9%減)、 営業利益440億円(同28.3%減)、経常利益500億円(同37.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益340億円(同 31.4%減)を予想している。
なお、業績の見通しの前提となる為替レートについては、1米ドル=140円、1ユーロ=150円を想定している。