●橋本新会長は、就任の挨拶のあと、次のように述べた。
「このところ世界情勢は、長引くロシア・ウクライナ情勢や中東情勢等の地政学的リスクに伴って不安定化が進んでいる状況でございます。そして国際経済に加えて、中国経済の低迷等により、減速傾向がなかなか終わらない状況でございます。
このような状況の中で、2023年の我が国のロボット産業は、中国市場の低迷や世界経済の諸リスクに伴う投資の減少等もございましたので、昨年実績は受注額で対前年比24.1%減の8,434億円、生産額も同じく12.7%減の8,916億円と、 残念ながら大幅に下回ることとなりました。
今年2024年のロボット市場でございますが、 地政学的なリスクはまだございますが、半年後に向けての需要の回復、またはここにいらっしゃる皆様の熱い思いと、そしてこの業界を盛り上げる力で、そして皆さんも、実は我々お会いしている多くの方の投資意欲を前面に出すことによって盛り上げていきたいと思います。
受注額は 対前年比2%増の8,600億円、そして生産額はそれに合わせた8,600億円を見込んでおりますが、ぜひ皆さんの力でさらに大きく上振れさせていきたいというふうに考えております。
このようなか、当工業会では、事業活動の3つの柱である市場拡大に向けた取り組み、 イノベーションの加速、そして国際標準化の推進、国際協調の推進を重点項目とし、業界の活性化をさらに推進するよう活動を続けてまいります。
特に、今年度の事業といたしまして、 今年度は最終年度となります経済産業省の5カ年プロジェクト、革新的ロボット研究開発等基盤事業方式におきまして、昨年度に引き続き、当会は補助金執行団体として、このほど採択いただきましたロボットフレンドリーな環境の構築にあたり、 それに必要な開発にかかる費用の一部を間接補助事業者に対して補助金交付を行うことが、 本事業の業務管理も行うことといたします。
さらに、経済産業省の中小企業省力化投資補助制度におきまして、現在、清掃ロボットなど2つのロボットの製品化についての登録審査を担当しておりますが、本年度は、 これらの補助金対象利用業種の拡大に加えて、ロボット製品のカテゴリーについての拡大も目指しております。
また、6月12日から14日にかけ、実装プロセステクノロジー展の開催など、2つの展示会を開催いたします。これらの展示会を通じて、 技術情報の発信とともに、様々な分野でロボットの利用拡大への意欲を喚起することに加え、市場調査、技術振興、標準化の推進等の各事業を意欲的に展開してまいります。
引き続き、 本日ご来賓の経済産業省の皆様のご指導、さらにはご参加の皆様のお力添えをいただいて、本年度も力強くロボット事業の拡大進行していきたいと思いますので、何卒皆様のご協力をお願いいたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。」
画像は、総会後の懇親会で挨拶する橋本康彦新会長。