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三井E&S、米国ロサンゼルス港で世界初の水素燃料電池駆動ラバータイヤ式門型クレーンの商業運転を開始

 ㈱三井E&Sと米国子会社であるPACECO Corp.(カリフォルニア州、以下、パセコ)は、5月16日、米国ロサンゼルス港において、世界初となる水素燃料電池を搭載したラバータイヤ式門型クレーン「MITSUI-PACECO H2-ZE TRANSTAINER CRANE」の商業運転を開始し、港湾のゼロエミッション化に新たなスタンダードを導入すると発表した。

 三井E&Sは2023年4月に同社大分工場で世界初となる水素燃料電池を搭載したH2-ZE TRANSTAINERの開発完了を発表した。 開発時には、従来のディーゼルエンジン発電機を搭載したクレーンと同等の荷役能力が得られることを確認している。今回のプロジェクトでは、新たに製造したH2-ZE TRANSTAINERを米国ロサンゼルスのYusen Terminals Inc.において実際の商業荷役に投入し、更なる改良を目的として開発段階で得られたデータを検証する。同プロジェクトは、クリーンな水素の地産から港湾荷役機器による使用までを実施する水素サプライチェーンの実証事業の一環でもあり、同事業は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成を受けて実施している。

 物流の拠点となる港湾では、二酸化炭素やディーゼル排気有害物質の削減・ゼロエミッション化が求められている。特に米国カリフォルニア州のロサンゼルス港及びロングビーチ港は2030年までにすべての荷役機械をゼロエミッション化するClean Air Action Planを掲げている。

 現在港湾で広く使用されているディーゼルエンジン発電機を搭載したタイヤ式門型クレーンは、排出ガスの大きな要因となっている。ゼロエミッション化には、電動化の選択肢もあるが、H2-ZE TRANSTAINERは水素を使用することで電動化に必要な地上給電設備への投資を節減でき、また現行のオペレーションにも影響を与えない。ターミナル全体のゼロエミッション化の達成の為、ディーゼルエンジン発電機を搭載した既存機を水素駆動に改造することも可能。

 MITSUI-PACECO H2-ZE TRANSTAINER CRANEの提案及び既存機の改造を通して、三井E&SはPACECOとともに港湾の脱炭素化に貢献していく。

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