kikai-news.net

ヤマシンフィルタ、23年度売上は3.1%減 の180億円、24年度は1.9%減の176.9億円

 ヤマシンフィルタが5月15日に発表した2024年3月期(2023年度)連結業績によると、売上高は180億24百万円(以下、前期比3.1%減)、営業利益は14億11百万円(14.3%増)、経常利益は14億15百万円(54.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億86百 万円(21.9%増)となった。

 ヤマシンフィルタ2024年3月期通期データ

 2023年度における世界経済は、米国では個人消費の回復や良好な雇用情勢を背景に堅調に推移する一方で、欧州や中東での地政学リスクの長期化を背景としたエネルギーコストの上昇や資材価格の高騰、世界的なインフレに伴う金融不安等の影響等により、依然として先行き不透明な状況が継続 している。
 このような環境の中、ヤマシンフィルタグループの主力事業である建機用フィルタ事業においては、中国市場では、市況の低迷により需要は大幅に減少した。北米及び日本市場では、公共投資や設備投資が安定的に推移したことにより、需要は堅調に推移した。一方、欧州及びアジア市場においては、金利の高止まりや、主要国の選挙等による公共事業への影響から、需要は前年度を下回った。
 この結果、2023年度における売上高 は全体では減収となった。利益面では、主要原材料価格やエネルギーコスト高騰への対応策として、原価低減の取り組みや、適正価格への 価格転嫁の実施により収益性の改善が図られたことにより増益となった。

■今後の見通し
 2025年3月期のヤマシンフィルタを取り巻く、建機用フィルタ事業においては、世界最大の市場である中国においては、引き続き市況の低迷により新車の販売台数は前年度を下回る見通し。北米及び日本市場においては、引き続き堅調に推移することが見込まれる一方、欧州、アジアといった各市場における建設機械市場の需要は、景気減速の影響が懸念され、全体では前年を若干下回る水準で推移する見通し。
 また、地政学リスクを背景とした資材価格やエネルギーコストの高騰、世界的なインフレ進行については依然 として終息のめどが立たず、先行き不透明な状況が継続している。
 2025年3月期の建機用フィルタ事業の見通しについては、このような事業環境を踏まえ、保守的な見地から通期の業績見通しを作成している。
 売上高については、販売数量の減少により減収となる見通し。利益面は、継続した価格転嫁の取り組みや原価改善等により、収益性は着実に改善することが見込まれるが、アルミや鋼材を中心とした 主要原材料価格については、当面の間高止まりすることに加え、人的資本への投資の一環として給与水準の引き上げ(4%ベースアップ)により、固定費の増加が見込まれることから、わずかに減収減益となる見通し。

 ヤマシンフィルタグループはこのような外部環境の変化によるリスクへの対策として、更なる価格転嫁を実行するとともに、 設計開発段階での原価低減、原材料コストの削減、製造プロセスの改善、品質管理の更なる強化等を進めること により製品ライフサイクル全体でのコスト削減を図り、収益性の改善と外部環境に左右されない安定した収益基 盤の構築を進めていく。

 エアフィルタ事業においては、既存製品の交換需要の回復に加え、ナノファイバー製エアフィルタをはじめと した高付加価値製品ラインナップの展開により、新規取引として、オフィスビルや商業施設、ホテル、病院、工 場等への採用に向けた取り組みが進展している。また、利益面においては、継続した価格転嫁に加え、生産効率の改善を軸とした原価低減活動により原価管理体制の強化と収益性の改善が見込まれることから増収増益と なる見通し。

 2025年3月期連結業績予想につきましては、以上の状況を踏まえ、以下のとおりとした。
 売上高176億90百万円(以下、前期比1.9%減)、営業利益14億10百万円(0.1%減)、経常利益14億20百万円(0.3%増)、親会社株主に帰属す る当期純利益9億80百万円(24.6%増)。

 業績見通しにおける為替レートは、1米ドル145円、1ユーロ155円を前提としいる。

ヤマシンフィルタの2024年3月期 決算短信

 決算説明資料

モバイルバージョンを終了