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加藤製作所、中国の合弁ミニショベル事業「加藤中駿」を見直し、清算前提に協議

・今後はインドなどで商圏拡大し、中長期的な収益源を確保

 ㈱加藤製作所は5月14日、子会社である加藤中駿(厦門)建機有限公司(以下、加藤中駿)が中国福建省厦門市において製造・販売しているミニショベル事業について、2024 年 6 月に期限を迎える 2 社間での合弁契約の期間延長は行わず、同社の清算を前提に両社が保有する株式の処分を含めた協議を合弁先との間で進めていると発表した。

 加藤中駿は、2004 年に当時の石川島建機(現在は加藤製作所に吸収合併)と香港の中駿機械控股有限公司の共同出資により設立。技術供与を行ったのち、2005年からミニショベルの生産・販売を開始した。以降、中国の高度経済成長と市場からの高い製品評価に支えられ売上・販売台数は順調に増加し、 中国国内の景気減速時にも黒字を維持するなど同社の業績は堅調に推移してきた。しかしながら、近年になり中国地場メーカーの台頭に加え、不動産不況を起因としたインフラ投資の鈍化による建設機械の需要低下など厳しい事業環境が継続し、現在も回復の目途は立っていない。

 このような状況下、加藤製作所では同事業における将来性や継続時のリスク等を慎重に検討した結果、合弁契約期間の更新は行わず、同社の清算も含めた抜本的な見直しが必要と判断した。

 この案件は、現在推進中の中期経営計画で掲げた将来の基盤構築(選択と集中)における加藤製作所の海外事業 ポートフォリオ見直しの一環であり、2024 年 3 月 8 日に公表した「連結子会社 加藤(中国)工程机械有限公司における生産の一時停止について」の通り、本件を含め、長らく加藤製作所グループにおいて業績の 一翼を担ってきた中国 2 拠点の合理化を前提とした根本的な事業の見直しを現在推進している。

 一方、次なる飛躍に向け加藤製作所は新たな成長市場として中国を抜き世界最大の人口大国に成長したインドでの事業基盤構築を目的に 2024 年 1 月に「インド事業準備室」を本社内に新設した。

 今後は、中国に 代わる新たな主要市場として同国の旺盛な建設機械需要の取り込みに加え、加藤製作所がこれまでアプローチできていなかったインド周辺国を含めた商圏の拡大を実現し、中長期的な収益源の確保に努めていく。

 なお、この案件に関わる 2025 年 3 月期の連結業績に与える影響については現在、精査中であり、当該計画を 含めた当社海外事業の展開については進展があり次第、適宜公表していく予定。

<加藤中駿 会社概要>
会社名:加藤中駿(厦門)建機有限公司
所在地:中国福建省厦門市
設立日:2004年10月22日
資本金:3,000 万人民元(加藤製作所出資比率 51.0%)
事業内容:油圧ショベル等の製品及び部品の製造・販売

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