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日立建機、23年度売上は11.1%増の1兆4,059億円、2年連続で過去最高を記録

・24年度予想は2.6%減の1兆3,700億円

 日立建機が4月24日に発表した2024年3月期(2023年度)連結業績によると、為替影響等も加わって、売上収益は2年連続で過去最高を更新する1兆4,059億2千8百万円 (対前年度増減率11.1%)と大幅な増収となった。利益項目についても、資材費や物流費を中心としたコスト増加の影響が続いたものの、原価低減や販売価格の 引き上げに取り組み、売上収益の増加に為替影響も加わった結果、調整後営業利益は、売上収益同様、2年連続で過去最高を更新する1,680億2千8百万円(同23.0%)と大幅な増益となった。また、親会社株主に帰属する当期利益についても、非継続事業における構造改革費用の計上等があったものの、金融収益・費用や持分法投 資損益の改善により、過去最高の932億9千4百万円(同32.9%)となった。

 日立建機グループは、2024年3月期より2026年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画「BUILDING THE FUTURE 2025 未来を創れ」を新たに策定し、①顧客に寄り添う革新的ソリューションの提供、②バリューチェー ン事業の拡充、③米州事業の拡大、④人・企業力の強化、の4つの経営戦略を掲げて、持続的な成長と企業価値 の向上に取り組んでいる。

 このような取り組みの中で、第4四半期連結会計期間より、IFRS会計基準に即して、スペシャライズド・パー ツ・サービスビジネスセグメントにおけるノンコア事業を非継続事業に分類することにした。これにより、 2023年度および2022年度について、売上収益、調整後営業利益、営業利益、税引前当期利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示し、当期利益及び親会社株主に帰属する当期利益は、継続事業及び非継続 事業の合算を表示している。

 2023年度における油圧ショベル需要は、市況が低迷している中国において前年度から大幅に減少した。加えて、主要国での選挙影響等によって顧客の投資意欲の鈍化が見られたアジアや金利の高止まり等の影響を受けている西欧でも減少した。一方で、日本と北米では安定した 公共投資や民間設備投資が追い風となり、堅調な需要水準を維持した。

 マイニング需要は、資源価格が健全なレベルで推移し顧客の高い投資意欲が継続したこと、さらに高い稼働率 に伴うオーバーホール需要および定期メンテナンス需要に支えられ、全体的に堅調に推移した。

 このような環境下、2022年3月から本格的な独自展開を進めている米州事業が前年度比で大幅に増加したほか、 これまで注力してきたマイニング事業およびバリューチェーン事業が大きく伸長した。これらの結果に為替影響等も加わった。

 日立建機2024年3月期通期データ

■セグメントの業績
①建設機械ビジネス
 2023年度における売上収益は1兆2,823億3千2百万円(同11.1%)、調整後営業利益は1,535億3千8百万円(同23.9%)と増収増益になった。 米州における独自事業が前年度から引き続き堅調に拡大しているほか、コンストラクション・マイニング事業ともに、新車販売だけでなく部品サービスを中心としたバリューチェーン事業も好調に推移し、前年度比で 業績は大幅に伸長した。

②スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス
 同事業は、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken Pty Limited及びその子会社と、サービスソリューションを提供するH-E Parts International LLC及びその子 会社で構成されている。

 2023年度における売上収益は、マイニング市場が堅調に推移した結果、1,298億8千9百万円(同11.4 %)と増収になった。調整後営業利益も、売上収益の増加と為替影響、取り組んできた事業構造改革の結 果、高収益事業が伸長したこと等により、144億9千万円(同14.2%)と売上収益を上回る伸びになった。
なお、上記、①②の売上収益については、セグメント間調整前の数値。

■今後の見通し
 2025年3月期(2024年度)連結業績予想は、売上収益1兆3,700億円(前期比2.6%減)、調整後営業利益1,650億円(同1.8%減)、税引前当期利益1,510億円(同5.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益980億円(同5.0%増)。

 2025年3月期通期の油圧ショベル需要については、日本や北米は引き続き安定した公共投資や民間設備投資等が追い風となり、堅調さを維持すると見込んでいる。金利の高止まり等の影響を受ける西欧や選挙を控え先行きが不透明なインドでは、前年度比で大幅な減少を見込む。また、中国では前年度並みの低い需要水準で回復の 兆しは見込めない。これらを勘案し、世界全体の油圧ショベル需要を約20.8万台(前年度比△5%)と予想した。
 また、マイニング製品の通期の需要は、一般炭価格が落ち着き、中小鉱山の投資意欲の低下が見込まれることなどから、小型のマイニングショベルは前年度に続き減少すると見込む。一方、大型のマイニング機械については、大手鉱山やハードロック向けの需要が底堅く、堅調に推移すると見込む。

 2025年3月期連結業績予想の前提として、海上輸送遅延や資材費・物流費の高止まりに加え、人的資本投資の強化に伴う人件費増を見込む。さらに、現時点では、為替レートと市況を慎重に見ており、特に欧州等の需要減のリスクを業績予想に織り込んでいる。日立建機としては、引き続き原価低減および販売価格の引き上げに取り組み、注力している米州独自展開事業、マイニング事業およびバリューチ ェーン事業の成長により、新車需要に左右されにくい安定的な収益体質への転換を図る。

 この結果、前年度比で売上収益・調整後営業利益はわずかに減収減益となるが、調整後営業利益率は前年度並みを維持し、親会社株主に帰属する当期利益は増益となる見込み。この前提で、株主還元として、年間 配当については1株当たり175円を計画。

 なお、業績見通しの前提となる為替レートについては、米ドル141円、ユーロ152円、人民元20.1円、豪ドル 95円とした。

 日立建機グループでは、「お客さまの期待に応え、革新的な製品・サービス・ソリューションを協創し、ともに 新たな価値を創造し続けます」という新たに策定した独自のミッションの実現を通じ、今後も、「豊かな大地、 豊かな街を未来へ 安全で持続可能な社会の実現に貢献します」という企業ビジョンの実現に真摯に取り組んでいく。

 日立建機の2024年3月期決算短信


 決算説明および中期経営計画の進捗状況

 

 

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