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三菱重工、カナダ・アルバータ州の既設セメントプラント向けCO2回収設備の基本設計(FEED)を受注

・セメント産業分野にとって世界初となるフルスケールでのCCUS実現を支援

・ハイデルベルク・マテリアルズ社のセメントプラントから年間100万トンのCO2を回収する計画

・三菱重工独自のCO2回収技術を活用し、キーウィット・エナジーグループとともに基本設計(FEED)を担う

 三菱重工業は4月12日、世界大手セメントメーカーであるハイデルベルク・マテリアルズ社(Heidelberg Materials)から、同社がカナダ・アルバータ州エドモントンに有する既設セメントプラント向けのCCUSプロジェクトに関する基本設計(FEED:Front End Engineering Design)を受注したと発表した。セメント産業分野にとって世界初となるフルスケールのCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)実用化を目指す。

 今回のFEEDは、カナダでCO2回収やクリーン燃料事業を担う三菱重工グループのMHI Low Carbon Solution Canada,ULC.(MHI-LCSC)と北米の大手建設・エンジニアリング会社であるキーウィット・エナジーグループ(Kiewit Energy Group Inc)がコンソーシアムを組成し、受注したもの。実施に当たっては、三菱重工が関西電力と共同開発した独自のCO2回収技術である「Advanced KM CDR Process™」および吸収液「KS-21™」を活用する。

 ハイデルベルク・マテリアルズ社は、既存の施設にCCUS技術を導入することで、エドモントンに世界初のフルスケールのネットゼロセメント工場を稼働させる予定。このプロジェクトにより、最終的には22万台の自動車の年間CO2排出量に当たる年間100万トンのCO2を回収することが可能となる。ハイデルベルク・マテリアルズ社は、カナダ政府の補助金制度の締結を条件とし、2024年中に同プラントへの投資に関する最終決定を行う予定。

 三菱重工グループは2040年のカーボンニュートラル達成に向け、エネルギー供給側の脱炭素化に戦略的に取り組んでおり、多種多様なCO2排出源と貯留・利活用をつなげるCO2エコシステム構築はその柱の1つ。今後も、独自のCO2回収技術を活用してCCUS事業を強力に推進するとともに、ソリューションプロバイダーとして温室効果ガス排出削減に地球規模で貢献し、環境保護に寄与するソリューションの開発をさらに進めていく。

■ハイデルベルク・マテリアルズ社について
 ドイツに本社を置くハイデルベルク・マテリアルズ社は、カーボンニュートラルにおける先駆者で、新しい持続可能な建築材料とインテリジェントなデジタルソリューションを開発している。

■キーウィット・エナジーグループについて
 米国・ネブラスカ州に本社を置く北米最大級の建設・エンジニアリング会社で、米国、カナダ、メキシコなどの豊富なネットワークを通じ、世界中のさまざまな分野において、優れた建設およびエンジニアリングサービスを提供している。過去にも当社とプロジェクトを手掛けた実績があり、信頼できるパートナーとしてともに同プロジェクトに取り組んでいく。

■三菱重工グループのCO2回収技術について
 三菱重工グループは、1990年から関西電力株式会社と共同でCO2回収技術KM CDR Process™やAdvanced KM CDR Process™の開発に取り組んでいる。2024年4月現在、これらの技術を用いたプラントを16基納入しており、さらに2基を建設中。Advanced KM CDR Process™には、アミン吸収液KS-1™に技術改良を加えたKS-21™が採用されています。KS-21™は、KS-1™と比べて再生効率に優れ劣化も少ないといった特長を持ち、優れた省エネルギー性能と運用コストの低減および低いアミンエミッションが確認されている。

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