技研製作所グループは長期事業展望に「2031年8月期の売上高1,000億円」を掲げ、その達成に向けた数値目標や戦略を 示した「長期ロードマップ・GIKEN GOALS 2031」に基づき、全社で具体的な取り組みを進めている。
アジア地域では、東南アジアにおいて、活発な経済活動を背景にシンガポールやタイなどで市場が順調に拡大している。中国においては、2020年に販売代理店契約および指定工場契約を結んだ河北省の大手建機販売企業「石家 庄天遠科技集団有限公司/以下、天遠社」との協働の成果として、同社にサイレントパイラーを複数台納入した。同国においても、防災・減災対策や旧市街地の上下水道等のインフラ再生工事などで多様な建設課題を解決する 圧入工法のニーズが高まる中、天遠社等の代理店との連携強化を通じて着実に市場を広げている。韓国では、現地 のユーザーに3台目となる鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー」を納入した。同国では当ユーザーの強い営業力を背景に災害復旧や高速道路、護岸構築などでジャイロパイラーの市場が拡大を続けている。技研製作所グルー プはさらなる市場拡大に向け、引き続き技術指導や新工法提案などの体制を強化していく。
■セグメント業績
①建設機械事業
国内では、鋼矢板を硬質地盤に圧入する際のオーガ装置の掘削能力、施工能率を向上する「フライホイール式パイ ルオーガ」を標準搭載した硬質地盤対応機「サイレントパイラーF112」など一般機の販売が順調に進捗した一方、 建設資材価格の高騰等が大型特殊機の販売に影響した。海外においては、市場開拓が進んでいるヨーロッパ、ア ジア地域で製品販売が進捗したほか、戦略再構築中の米国等でも従来の活動成果により一時的に売上が増加した。これにより同セグメントの売上高は11,086百万円(前年同四半期比9.9%増)、営業利益についてては、原材料費等の高騰を受けて前期に実施した製品価格改定の業績寄与が始まったことなどから2,985百万円(同15.6%増) となった。
②圧入工事事業
国内では、工法採用が堅実に推移する中、東日本大震災復興事業における水門工事の基礎(岩手県)、平成30年7 月豪雨(西日本豪雨)で被災した肱川流域の護岸補強(愛媛県)、南海トラフ巨大地震に備えた河川護岸耐震補強工 事(愛知県)、発電所の防水壁構築(岐阜県)等において工事が順調に進捗した。しかしながら、海外における 連結子会社の1社減少などにより、圧入工事事業の売上高は4,448百万円(前年同四半期比8.2%減)、営業利益は 638百万円(同23.3%減)となった。
■2024年8月期の見通し
通期の業績予想については、2023年10月11日公表の業績予想(下記)から変更していない。
2024年8月期の業績については、売上高30,000百万円(前期比2.5%増)、営業利益3,300百万円(同10.6%増)、経常利益3,400百万円(同11.1%%増、親会社株主に帰属する当期純利益2,400百万円(同183.4%増)。