・計画から施工までを一元管理するシステムと接続
・施工会社のシステムと建設機械を接続する汎用的なインターフェースを構築
昨今、建設業界では、少子高齢化や技能労働者不足といった問題に対応するため、建設機械の自律運転技術の開発が進められている。自律型建設機械が多様な施工現場で稼働するためには、施工計画や施工管理のシステムと自律型建設機械を接続させる必要がある。さらに、自律型建設機械を普及させるためには、施工会社を問わず、接続できる汎用的なインターフェースが必要。
日立建機は、「人、機械、現場環境」の情報を相互に共有することで、人と機械が「協調して」働き、安全性と生産性を両立する「協調安全」の施工現場の実現をめざしている。具体的には、機械やセンシングシステムで収集した情報*に基づいて、人への注意喚起や建設機械の制御を行い、現場全体を安全な方向に導きながら生産性の高い施工を行う。このような現場を実現するため、2020 年 8 月には自律型建設機械向けシステムプラットフォーム「ZCORE(ズィーコア)」を開発した。
*建設機械の位置・稼働情報、作業員の位置・生体情報、作業進捗による地形の変化、気象予報などのさまざまな情報。
今回の共同実験では、前田建設が開発した BIM/CIM データに基づき計画から施工まで一元管理するシステムと、複数の自律型建設機械を接続する最適なインターフェースを検証することができた。今後、日立建機は、特定の施工会社に関わらず多様な施工会社のシステムと接続できるように、インターフェースの改良と自律型建設機械の開発を推進していく。
■共同実験の概要
1.実施時期:2023 年 11 月 14 日~2024 年 3 月 21 日
2.場所:前田建設 ICI 総合センター(茨城県取手市寺田 5270)
3.内容と役割分担
(1)BIM/CIM データ(工事全体の施工計画モデル)から、油圧ショベルの作業内容を具体化した
「作業計画モデル」を自動生成・・・前田建設
(2)「作業計画モデル」を基に、複数の油圧ショベルに対して作業を指示
(指示の例:A の範囲の土を掘って、B の範囲に移す)・・・前田建設、イクシス
(3)油圧ショベルが、指示された内容に沿って自律運転で掘削作業を実施・・・日立建機
■日立建機について
日立建機は、油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械、鉱山機械などの開発・製造・販売・サービスの事業をグローバルで展開している建設機械メーカー。新車販売事業に加えて、部品・サービス、再生(部品・本体)、レンタル、中古車の「バリューチェーン事業」を拡大し、革新的なソリューションを顧客に提供する真のソリューションプロバイダーとして、顧客と共に成長をめざしている。世界に約 25,000 人の従業員を擁し、2022 年度(2023 年 3 月期)の連結売上収益は 1 兆 2,795 億円、海外売上収益比率は 82%。
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