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クボタ、農地で発電した再生可能エネルギーを自社工場へ供給

・営農型太陽光発電を活用した温室効果ガス削減の取り組み

 ㈱クボタは3月18日、栃木県、茨城県などの北関東の農地で営農型太陽光発電*1事業を開始すると発表した。営農型太陽光発電設備下での農業生産の実績がある㈱グリーンウィンド(栃木県芳賀郡芳賀町)と連携し、農業振興への貢献と脱炭素化の推進の両立をめざす。

*1営農型太陽光発電:農作業に必要な設備高と柱間隔、及び農作物栽培に必要な日射量が確保できる太陽パネルの遮光率を確保した太陽光発電設備。

■背景とねらい
・脱炭素社会への移行に向けて日本でも太陽光発電の導入が進んでいるが、さらなる普及拡大には設置場所の確保が課題となっている。営農型太陽光発電は農地や再生した耕作放棄地で農業を行いながら、同時に上部空間で発電できるため、農業と発電が両立できる取り組みとして近年導入が進んでいる。農林水産省の発表では令和3年度末時点、全国で4,349件の発電所が認可を受けている。

・クボタは、2021年に公表した環境ビジョンで2050年のカーボンニュートラル実現を目標に掲げている。その一環として、営農型太陽光発電の導入と、発電した再生可能エネルギーの活用に向けた検討を進めてきた。今回、最初の取り組みとしてグリーンウィンドと連携し、栃木県、茨城県など北関東の耕作放棄地を含む農地に発電設備を設置する。

・取り組みで発電した再生可能エネルギーは、クボタの筑波工場(茨城県つくばみらい市)へ全量供給する。これにより、筑波工場の使用電力の約9%相当が再生可能エネルギーに置換され、年間約2,600トン*2のCO2削減を実現する。

・連携先であるグリーンウィンドは営農型太陽光発電設備下での農業生産に実績があり、豊富な知見を有している。今回設置する発電設備下では、グリーンウィンドが米・小麦・大豆等を栽培し、学校給食向けなどに販売する。また一部の作物については、加工食品製造やレストランの食材として利用する。

・クボタは今後、営農型太陽光発電のさらなる普及に向け、発電設備下での栽培作業の効率化や農作物の品質向上、収量増加に向けた実証にも取り組んでいく。また、発電した電力の地域社会への供給や、農地における電動トラクタなどへの電力供給の仕組み作りも進め、脱炭素社会の実現と持続可能な農業の実現をめざしす。

*2「電気事業者別排出係数一覧」(令和6年提出用)(環境省・経産省)に記載の排出係数に基づく。

<営農型太陽光発電事業の概要>
稼働開始時期:2024年7月から順次稼働予定
場所:栃木県、茨城県などの複数の農地
総面積:約20ha
設備容量:約5MW(年間発電量約570万kWh)
遮光率*3:約30%
電力送電先:クボタ筑波工場
CO2削減量:年間約2,600トン
栽培作物 米、小麦、大豆等

*3遮光率:営農型太陽光発電の設備であるパネルが直射日光を遮る割合。本案件では、発電設備下で適切な農業が実現できるよう、多様な農作物が栽培可能な遮光率として約30%を採用している。

 ニュースリリース

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