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信越化学、医薬セルロース事業に積極投資、直江津工場に約100億円

 信越化学工業(東京都千代田区)は3月6日、医薬用セルロース事業の強化のために設備投資を行う。

 今回の投資は、直江津工場(新潟県上越市)で実施する。医薬用添加剤である「Shin-Etsu AQOAT®(シンエツエーコート、日本薬局方ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル)」の生産能力を倍増する計画で、20262年春の完成を目指す。投資金額は100億円の見込み。

 信越化学の医薬用セルロースは、植物由来であるパルプを主原料とし、人体に安全であることから錠剤のコーティング剤などとして広く用いられている。胃で溶けずに腸で溶けるよう設計された腸溶性製剤を実現するなど、薬が溶ける部位をコントロールすることを可能としている。更に、薬の効き目を長く保つ機能も備えている。

 「Shin-Etsu AQOAT®」は、信越化学が錠剤等の腸溶性コーティング剤として独自に開発し、国内のみならず世界の顧客に供給している。近年は難溶性薬物(溶解性の低い薬物)を体内で吸収し易くする機能が注目されて世界で需要が伸長。今後も増加が継続的に見込まれるため、設備増強を決定した。

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