住友重機械工業は3月5日、洋上風力発電における基礎構造物や関連船舶事業の強化を目的とした新たな部門として、「洋上風力事業推進プロジェクト」を設立したと発表した。
同社構成セグメントのひとつであるエネルギー&ライフラインセグメントでは、成長戦略の一環として経営資源を脱炭素エネルギー・資源循環・サービス領域に関わる新規事業に積極的に投資している。
洋上風力事業推進プロジェクトは、基礎構造物製造の事業化に関わる営業、設計および製造に関連する活動を統括し、また洋上風力関連船舶、各種作業船に関わる営業窓口機能も担う。
■プロジェクトチーム設立の背景と概要
住友重機械工業は前中期経営計画にて、グループ各社の製品・技術の親和性を考慮し、事業セグメントを4つに括った。2024年から始まっている中期経営計画2026では、セグメント内での協業・相互シナジーを目指し、エネルギー&ライフラインセグメントでは①カーボンニュートラル事業②再エネ促進事業の2つを主要戦略課題としている。
カーボンニュートラル実現に向けた洋上風力発電領域においては、主に住友重機械プロセス機器および住友重機械マリンエンジニアリングが、着床式/浮体式いずれの基礎構造物製造にも転用可能な技術を多く保有しているため、住友重機械工業のエネルギー&ライフラインセグメントに「洋上風力事業推進プロジェクト」を新設し、これらの技術を事業化に向けて統括していくことにした。
住友重機械プロセス機器においては、基礎構造物に使用される極厚鋼板の加工能力増強のため、大型ベンディングローラーの導入を決定。2025年5月に稼働開始を予定している等、基礎構造物製造に向けた準備を進めている。
住友重機械マリンエンジニアリングでは、船舶建造を通じて蓄積したエンジニアリング及び重塗装を伴う大型構造物の建造・量産技術を基礎構造物の製造に活かすべく設備増強を含めた生産体制の整備を進めている。
今後は、洋上風力事業推進プロジェクトを中心に活動を拡大し、洋上風力発電の発展を基礎構造物製造等の面から支えることで、脱炭素社会の実現に貢献していく。
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