・地域経済の発展を支える基幹交通インフラとして、さらなる交通利便性向上に貢献
・三菱重工は、信号、通信システム、給電設備、軌道工事、ホームドア、料金機械といったAGTシステム一式を担当
・タイパ島からマカオ半島のボーダーゲート付近まで延伸、交通渋滞緩和に寄与
三菱重工業は2月29日、中国マカオ特別行政区(Macau Special Administrative Region)政府・公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light Rapid Transit(注1))「East Line」向け全自動無人運転車両(AGT:Automated Guideway Transit(注2))システム一式を受注したと発表した。三菱重工は信号、通信システム、給電設備、軌道工事、ホームドア、料金機械といった、駅舎の建設や土木工事を除くAGTシステム一式を担当する。
旅客向けには、タイパ線およびBarra延伸線(1駅追設、3.2km、2023年12月開業)に納入済みの車両を活用するほか、リチウムイオン式蓄電機器を車載した火災時の消防士緊急出動用車両(BAV:Backup Access Vehicle)も納入予定。従来のディーゼル型に代えて電動BAVを導入することで、地下トンネル区間が大半を占めるEast Lineの安全性確保と環境負荷軽減に貢献する。
三菱重工のマカオLRT向けプロジェクト受注(注3)は、タイパ線、Barra延伸線、現在建設中の石排湾延伸線(2駅+乗換駅追設、1.6km)および横琴延伸線(2駅追設、2.2km)に続く5路線目で、これまでの工事実績と、安全かつ安定的な運行が高く評価されました。今回も、石排湾延伸線、横琴延伸線の新設プロジェクトに続き、地元ゼネコンである「Top Builders Macau Co. Ltd.」と「Hou Chun Construction and Engineering Company Limited.」との間で3社コンソーシアムを組んで協働する。マカオLRTの乗客数は、Barra延伸線の開業により増加しており、今後もさらなる延伸線の開業により乗客者数増加が期待されている。同プロジェクトを通じて、マカオ地域経済のさらなる発展と人材育成に寄与していく。
三菱重工グループは、今後も世界各国のサービス拠点と連携し、顧客ニーズに応える付加価値の高いサービスや、三菱重工のデジタルイノベーションブランドである「ΣSynX(シグマシンクス) Supervision」の遠隔状態監視技術などの新ソリューションを提供していく。また、CO2を排出しないクリーンな輸送手段であるAGTの納入を通じ、世界各地の経済発展、交通利便性向上といった地域課題への対応と解決策の提供を目指すとともに、カーボンニュートラル社会の実現にも貢献していく。
注1 :LRTは、元来「Light Rail Transit(次世代型路面電車)」の略称として広く使われているが、マカオLRTは、その高速性能にちなんでLight Rapid Transitを略称としている。
注 2 :電力駆動により完全自動走行する新交通システムで、ターミナル間および空港周辺施設への移動用として世界各地で利用されている。ゴムタイヤ方式を採用しているため、走行が滑らか、かつ低騒音であるのが特長。
注 3 :三菱重工のマカオLRT向けプロジェクトについて、詳しくは以下のプレスリリースを参照。
https://www.mhi.com/jp/news/23120801.html