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日立造船、全固体リチウムイオン電池「AS-LiB®」を半導体製造装置メーカーから受注

・初の商業ベース受注、半導体製造装置メーカーが AS-LiB®を採用
・Space AS-LiB が宇宙より帰還、JAXA の宇宙飛行証明書を受領

 日立造船は2月27日、半導体製造装置メーカー向けに、全固体リチウムイオン電池「AS-LiB®」(140mAh タイプ)を1ロット(12 個)受注したと発表した。今後、同社からの継続的な受注が期待される。

 AS-LiB®については、これまで様々な業界向けのサンプル提供品を受注してきたが、実際の製品(装置)に組み込まれる商業ベースでの受注は今回が初となる。

 AS-LiB®は、広い使用温度域や使用可能環境の多様性に特長があり、低温度環境および高温度環
境や真空中での充放電が可能で、主に宇宙で使用される製品や半導体装置、既存電池が使えない環
境となる装置向けにサンプル出荷してきた。

 また、 2022 年 3 月に開始した国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同実証研究では、国際宇宙ステーション(ISS)を構成する「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに設置された「船外小型ペイロード支援装置(SPySE)」に、当社の AS-LiB®(140mAh タイプ)を基にした全固体リチウムイオン電池軌道上実証装置(Space AS-LiB)を取り付け、世界で初めて宇宙曝露空間での充放電を確認するとともに、1年以上にわたる長期の充放電サイクル運用を達成することができた。

 なお、Space AS-LiB は、米航空宇宙局(NASA)の SpX-29※によって 2023 年 12 月 23 日に宇宙から米フロリダ沖に帰還し、2024 年 1 月 26 日には JAXA の「筑波宇宙センター」に到着した。日立造船は JAXA より「宇宙飛行証明書(Certificate of Space Flight)」を受領するとともに、Space AS-LiB が 3 月上旬(予定)に日立造船技術研究所(大阪市大正区)に戻された後は解体分析評価などを行う。

※ドラゴン補給船運用 29 号機(SpX-29)ミッション。NASA が ISS への物資等の輸送を民間企業に委託する「商業物資輸送サービス」の 29 回目となるミッション(SpaceX CRS-29:SpX-29)。

<受注の概要>
発注者:半導体製造装置メーカー
受注製品:全固体リチウムイオン電池「AS-LiB®」(140mAh タイプ)
受注個数:1 ロット(12 個)
納入時期:2024 年 2 月末

<宇宙実証>
実施者:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)および日立造船株式会社
実施期間:2022 年 2 月~2023 年 11 月
帰還時期:2023 年 12 月 23 日

 ニュースリリース

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