出光興産は2月27日、三菱商事及びPromanが米国ルイジアナ州レイクチャールズで検討を進めているクリーンアンモニア製造プロジェクト(注1)に参画することで両社と合意したと発表した。
同プロジェクトでは、2030年度までに年間約120万トンのクリーンアンモニア生産開始を目指しており、最新鋭の国産低炭素化技術等を採用(注2)し、高水準の低炭素クリーンアンモニア(注3)を製造予定。
出光興産は、徳山事業所(山口県周南市)の既設インフラを活用したアンモニア輸入基地を設置し、化学・鉄鋼分野の素材を生産・供給しているコンビナート各社を含む周辺広域の事業所向けに2030年に100万トン超のアンモニア供給を目指している。三菱商事は、同社が保有する愛媛県今治市にあるLPGターミナルをアンモニアターミナルに一部転換し、四国・中国地域を中心とした様々な産業用途向けにクリーンアンモニア需要への供給拠点整備を目指している。出光興産と三菱商事の両社は同プロジェクトで生産されるクリーンアンモニアをこれらの受入拠点を通じ、日本国内へと供給することを構想している。
アンモニアは燃焼時にCO2を排出せず、既存の輸送手段・貯蔵設備を有効活用できることから、様々な産業での低・脱炭素化への貢献が期待される。3社は強靭かつ大規模なクリーンアンモニアサプライチェーン構築に向けた検討を進めていく。
注1:三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)及び米Zachry GroupにFEED(基本設計)を発注中。
注2:アンモニア製造プラントにTopsøe A/S社のSynCOR™アンモニアプロセス及び三菱重工が関西電力株式会社と共同で開発したAdvanced KM CDR Process™を採用。
注3:一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会が公表したクリーンアンモニアの定義では、一般的な天然ガスSMR(水蒸気メタン改質)をベースとした場合の排出量を基準として、製造時(Gate to Gate)に排出されるCO2排出量が6割減となるアンモニアをクリーンアンモニアと定義しているが、同プロジェクトでは製造時の8割超、原料調達から製造時(Well to Gate)の7割超のCO2排出削減を想定している。
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