第3四半期連結累計期間(2023年4~12月)におけるわが国経済は、原材料 やエネルギー価格の上昇、建設業や物流業の人手不足による機会損失などが景気を下押しする懸念 はあったものの、インバウンド需要の継続や半導体などの供給制約の緩和などにより、緩やかな回 復基調で推移した。世界経済においては、ウクライナ危機に伴う資源高や、欧米の政策金利高 止まり、中国における政府債務の増加や不動産市場の低迷などを背景に、成長が鈍化した。
このような情勢のなかで同社グループは、中期経営計画「中期ビジョン2024」に掲げた「常に新 しい価値を追求し、社会と産業の発展に貢献する」企業を目指して、成長戦略に取り組んできた。また、原材料価格の高騰に対する販売価格の見直しや生産効率改善による操業度の向上、 経費削減の推進により、利益改善を図ってきた。
<建設機械事業>
売上高収益32,333百万円(前年同期比9.2%増)/ セグメント利益5,464百万円(同29.3%増)
建設機械事業セグメントは、主にエンジンコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車などの事業で構成。
改築を背景に、高所作業車の出荷が堅調に推移した。また、エンジンコンプレッサ、エンジン
発電機においても民間投資の回復により前年同期比で増収となった。海外においては、北米に
おけるインフラ投資の需要が旺盛なほか、オセアニア、中近東での資源開発向け需要の増加によ
り、前年同期比で増収となった。利益面では、原材料価格の高騰が依然続いているが、販
売価格の見直しを推し進めたほか、売上高の増加や円安効果、工場の操業度向上も寄与して前年同
期比で増益となった。
<産業機械事業>
売上高7,001百万円(前年同期比7.5%増)/ セグメント利益1,133百万円(同3.4%増)
産業機械事業セグメントは、主にモータコンプレッサ、非常用発電機、部品、サービスなどの事業で構成。
販売面では、主力のモータコンプレッサは、「中期ビジョン2024」に掲げた目標達成に向けて、
国内のシェア獲得を推し進めており、出荷が堅調に推移した。また部品、サービスの売上も伸
長しており、前年同期比で増収となった。利益面では、モータコンプレッサの販売価格見直し
が進んだほか、利益率の高い部品、サービスが好調に推移したことで、前年同期比で増益となった。
■今後の見通し
2024年3月期の連結業績の見通しについては、下記のとおり直近公表値を据え置いている。
売上高49,600百万円(前期比1.2増)、営業利益6,550百万円(同25.2%増)、経常利益6,700百万円(同24.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,535百万円(同20.9%増)。