・日本初、周波数変換装置を備えた公共ふ頭向け陸上電力供給システムを受注
・停泊中の船舶へ陸上から電力を供給し、カーボンニュートラルポートの形成を推進
㈱弘電社、三菱電機、東芝三菱電機産業システム(以下、TMEIC)は1月22日、横浜市本牧ふ頭A-4岸壁に新設する陸上電力供給システムを横浜市港湾局より受注したと発表した。
同システムは、停泊中の船舶に陸上から電力を供給するシステムで、公共ふ頭向けの電源周波数変換装置を備えたシステムとしては日本国内で初めてとなる。
船舶の運行や港湾施設を含む国際海運全体で排出される温室効果ガスは、世界全体の約3%を占めており、ドイツ1カ国分の排出量に相当すると言われている。国際海事機関(IMO : International Maritime Organization)では、2050年頃までに実質的温室効果ガス排出ゼロを目標に掲げ、世界中の港湾でカーボンニュートラルポートの実現に向けた取り組みが進められている。
従来、停泊中の船舶は、船内の照明や空調等に必要とする電力を船内の発電機で賄っていた。今回受注した陸上電力供給システムは、船舶の停泊中に陸上から船舶へ電力を供給することで、船舶より排出される温室効果ガス(二酸化炭素)や大気汚染物質(硫黄酸化物、窒素酸化物等)の排出量の削減に貢献する。停泊中の船舶から排出される温室効果ガス排出量は、臨海部の運輸部門の約38%を占めることから、停泊中の船舶のアイドリングストップは、温室効果ガス排出への抑制効果が大きいと考えられている。
また、一般的に船舶における発電機の周波数は60Hzだが、今回新設される横浜市が位置する東日本地域は、50Hzの電力が供給されていることから、周波数を60Hzに変換する必要がある。同システムは、変電設備、変圧器に加え、東日本地域の陸上施設に供給される50Hzの電力を接岸中の船舶が要求する60Hzの電力に変換するための周波数変換装置を備えており、1994年に通商産業省(現 : 経済産業省)資源エネルギー庁が制定した高調波抑制対策ガイドラインと、国際規格IEC80005に準拠した電源品質を確保できる。
今後、弘電社、三菱電機、TMEICの3社は、早期の竣工に向けて協力して工事を進め、横浜市港湾局が推進するカーボンニュートラルポートの形成に貢献する。
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