・通期連結売上高2,050億円(14.5%増)の予想は変えず
第3四半期連結累計期間の受注高は1,255億2千2百万円(前年同期比29.4%減)となり、第3四半期連結会 計期間末の受注残高は、前年度末に比べ333億9百万円減少し、1,574億3千7百万円となった。受注高 が前年同期に比べて大きく減少しているが、これは積み上がった受注残高の正常化に向けて、顧客と同社グル ープの双方で引き続き受発注が調整されているため。
第3四半期連結累計期間の世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や 世界的なインフレ、各国の政策金利の引き上げによる金融不安等の影響により、先行き不透明な状況が続いているも のの、米国では良好な雇用情勢と賃金上昇により、個人消費が堅調に推移した。欧州では足元の景気概況は軟調だが、これまで大きな悩みとなっていたインフレ率が足元で低下しており、実質所得の改善と個人消費の回復が期待されるなど、持ち直しの兆しがみられた。 このような環境のもと、竹内製作所グループの販売状況は欧米ともに好調に推移しており、主要製品であるミニショベ ル、油圧ショベル及びクローラーローダーの販売台数は、いずれも前年同期を上回った。また、2023年3月には ミニショベル「TB350R」及びホイール式油圧ショベル「TB395W」を、2023年10月にはミニショベル「TB320」を市場投入した。これら新製品を加えた豊富な製品ラインナップで、市場シェアの拡大を図っている。
■セグメント別の経営成績
(日本) 日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められている。欧州で は、住宅ローン金利の上昇とエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げているものの、生活インフラ工事や建設投資などの非住宅関連の建設工事が堅調で、製品販売は好調に推移した。欧州ディスト リビューター向けの販売台数が増加したことに加えて、製品価格の値上げ及び円安影響等により、売上高は563億 2千5百万円(前年同期比27.0%増)となった。セグメント利益は原材料価格の高騰等の減益要因はあったも のの、販売台数の増加、運搬費の減少、及び円安影響等により、208億5千万円(同176.6%増)となった。
(米国) 米国セグメントでは、住宅市場において住宅ローン金利と住宅価格の高止まり等により、住宅着工件数は調整局面が継続しているが、住宅に対する潜在需要は根強く、また、生活インフラ工事や建設投資などの非住宅関連の 建設工事が旺盛で、製品販売は好調に推移した。販売台数が増加したことに加えて、製品価格の値上げ及び円安影響等により、売上高は849億2千5百万円(前年同期比15.3%増)となり、セグメント利益は2022年9月に稼働開始した米国工場の減価償却費や労務費等の減益要因はあったものの、販売台数の増加及び円安影響等により、 76億5千万円(同0.5%増)となった。
(英国) 英国セグメントでは、住宅ローン金利の上昇とエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げており、3トン以下のショベル販売がディーラーでの在庫調整により軟化したため、販売台数は前年同期に比べ て減少したが、製品価格の値上げ及び円安影響等により、売上高は101億1千4百万円(前年同期比8.2%増) となり、セグメント利益は9億4千3百万円(同9.8%増)となった。
(フランス) フランスセグメントでは、住宅ローン金利の上昇とエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押 し下げているものの、生活インフラ工事や建設投資などの非住宅関連の建設工事が堅調で、製品販売は好調に推移した。この結果、ミニショベルの販売台数が前年同期に比べて増加したことに加えて、製品価格の値上げ及び円安影響等により、売上高は73億8千1百万円(前年同期比34.8%増)となり、セグメント利益は7億9千3百万 円(同57.7%増)となった。
(中国) 中国セグメントは、日本セグメントに向けた建設機械の部品の製造・販売が事業の大半であり、外部顧客への売上高は8千3百万円(前年同期比34.9%減)となり、セグメント利益は7千7百万円(同4,690.0%増)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2023年10月12日付の「業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」で公表(下記)した通期の業績予想に変更はない。
連結売上高2,050億円(前年度比 14.5%増)、営業利益331億円(同56.0%増)、経常利益 332億円(同51.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益242億円(同51.4%増)。
なお、業績予想における第3四半期以降の為替レートは、1米ドル=137円、1英ポンド=174 円、1ユーロ=149円、1人民元=18.70円を前提としている。