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●年頭所感(2024年) 株式会社IHI 社長兼CEO 井手 博

・2024年を,変革実行元年に! 創業170周年を迎えた今,新たな決意で挑む

 昨年は「持続的な高成長を実現する事業の変革」を柱とした「グループ経営方針2023」のもと,IHIグループは新たなスタートを切った。また,12月5日には創業170周年という大きな節目を迎えることができた。一方で,民間航空エンジンプログラムにおいて,安全性確保のための追加検査実施計画に伴う多額の費用計上や,グループ会社での独占禁止法違反疑義による立ち入り検査といった,重大な出来事があり,試練を迎えた年でもあった。これらの試練を乗り越え,170年の節目に私たちが成長と変革を実現するために,3点お伝えする。

① 盤石なキャッシュ創出力を
 「成長軌道への回帰」「成長事業の創出」など四つの力点に取り組んだ「プロジェクトChange」では,2022年に過去最高水準の営業利益を計上するなど,一定の成果を収めることができたが,キャッシュ創出力は依然として強固なものとは言えない。加えて民間航空エンジンプログラムにおける費用計上により,我々の財務基盤は深刻な打撃を受けている。このような厳しい状況の中でも,「グループ経営方針2023」でステークホルダーにお約束した,持続的な高成長企業への飛躍を目指した投資は,内容を精査しながら継続していく。
 そのためには,予期せぬ事象やリスクで揺るがない,より盤石な財務基盤を急ぎ構築し,各事業でキャッシュを創出し続けていくことが重要である。キャッシュ創出力を高めるには,私たち一人一人が効率化を進め,小さな変革を起こしていくことが必要だ。日々の業務の中でこれを常に意識し,工夫しながら取り組んでいこう。

② コンプライアンス問題を二度と起こさない覚悟
 これまで何度もコンプライアンスの重要性を痛感してきたにもかかわらず,独占禁止法違反疑義による立ち入り検査という事態が発生してしまった。いかなる事情もコンプライアンスを軽視する理由にはならない。
 私たちの名誉と誇りにかけて,法令遵守を大前提として真摯に自らの仕事に取り組むことで社会に貢献し,信頼される企業に生まれ変わろう。

③ DE&I をグループの文化へ
 「グループ経営方針2023」で掲げた「変革」を進めるためには,DE&I(Diversity:多様性,Equity:公平性,Inclusion:包摂性)の考えが最も重要と考えている。多様な人財のバックグラウンドや経験・個性が,IHIグループに新しい視点をもたらし,変革を進める原動力となるからである。お互いを認め,生かし合い,挑戦する機会が公平に提供されていることで,自由に発想し声の出せる組織風土を築くことができる。
 今年は全力でDE&Iを広め,これをIHIグループの文化にまで高めていく「DE&I元年」にしたいと考えている。DE&Iが皆さんにとっての自分事となるよう,私自身も先頭に立って取り組んでいく。

 最後になるが,あらゆる活動の基本は「安全」である。IHIグループ一人一人が常日頃からお互いに声を掛け合い,安全・安心な職場づくりをお願いしたい。

 IHIが昨年直面した試練は,私たち自身とIHIグループのさらなる成長と変革を遂げるためのチャンスだと捉えている。挑み,乗り越え,成長と変革を実感できる1年となるよう共に歩んでいこう。

(IHIグループ全従業員向け新年挨拶の要旨より)

 IHI HP

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