井関農機は12月14日、㈱フェイガーとJ-クレジットに関する取り組み拡大に向けた事業提携を締結したと発表した。
農林水産省の政策方針では食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」が策定され各種取り組みが行われている。
一方、これまで井関農機では自動抑草ロボットを用いた水稲有機栽培技術の提案や自治体との連携によるスマートオーガニックの実証などの環境保全型農業技術の提案により、持続可能な農業の実現に取り組んできた。
今回、フェイガー社との提携によりJ-クレジットの取り組みを通じて温室効果ガスの削減に貢献し、持続可能な農業の拡大を目指していく。
■提携の概要
世界の温室効果ガスの12%は農業由来といわれており、農業には温室効果ガス削減のポテンシャルがあるといえる。特に、日本では水田からのメタン排出量削減が課題のひとつであり、対応策として稲作の中干し期間の延長が有効とされている。中干し期間をこれまでより1週間延長すれば、メタン発生量を3割削減することができる。しかし、中干の延長を適切なタイミングで行わないと品質や収量の低下を招く可能性があるなどの課題もある。
この課題に対し、井関農機が運営する営農ソリューションポータルサイト「Amoni」で提供する水稲生育予測サービスや各種技術により、適切な中干期間の算定に必要な情報を生産者へ提供するとともに、井関農機グループが農業生産者に最も近い立場からJ-クレジット生成に必要な申請・承認等のサポートをしていくことで、J-クレジットの取り組み拡大を目指す。
フェイガー社では、農学博士や営農経験者の知見を活かし、収量や品質も考慮しながら脱炭素農法のプロジェクトを進めることで、質の高いクレジット生成をサポートする。また、生産者に先にクレジット収入を還元することで脱炭素の取り組みのハードルを下げ、誰でも参加しやすい環境整備を進めている。
この提携により、井関農機がこれまで培ってきた生産者との強力なネットワークを最大限活用しフェイガー社のソリューションを活用することで、生産者の方々の新たな収益を増やし、持続可能な農業のあり方を目指していく。
ニュースリリース