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松浦機械製作所、約28億円投じ武生工場を拡張、組立拠点統合と生産能力を増強

 ㈱松浦機械製作所 (福井県福井市)は12月8日、製造拠点の一つである武生工場を拡張すると発表した。創業90 周年となる2025 年1 月から統合した組立拠点の稼働を開始する。新棟は 2023 年12 月より工事を着手し、 2024 年12 月に完成する予定。

■中長期的な需要増加に対応できる生産体制の構築 

 松浦機械製作所は福井市にある本社工場と越前市にある武生工場の2拠点で機械組立およびスピンドル組立を行っている。機械組立は今回建設する新工場棟に本社工場の組立部門を移管し、組立拠点を1箇所に統合する。拡大したスペースを活用する事で、マシニングセンタの 20%増産((従来比)を可能にすると共にリードタイム短縮を実現する。また、本社・武生両工場のスピンドル組立も同時に建設する武生新スピンドル棟に集約する。スピンドル組立・試運転・ヘッド組立等、製造工程フロー効率化を追求したレイアウトにする事で組立効率向上による生産数増加と柔軟な供給体制の構築を実現する。

ものづくりの技能伝承と働きがいのある職場の実現

 熟練した職人が丹念な作りこみを行った同社の工作機械は安定した機械精度と長寿命を実現するだけでなく適切なメンテナンスを施すことで耐用年数は 25 年以上を誇る。同社はものづくりの根幹を支える職人の技能伝承と働きがいのある職場を両立するため、統合した組立工場で働く社員へのより充実した体系的な技能教育に取り組み、生産効率・生産品質の向上を実現していく。武生工場の厚生棟にはカフェテリア風の食堂など福利厚生施設を充実させ、社員同士のリラックスしたゆとりのあるコミュニケーションの場を設ける。

工場のカーボンニュートラルを実現する再生可能エネルギーに転換したインフラ整備

 世界の平均気温上昇を抑えるには、大気中に排出される CO2(二酸化炭素)の排出を実質ゼロにする脱炭素社会」の取り組みが必要。同社では「脱炭素社会」に欠かせない工場のカーボンニュートラルに向けて、武生工場で使用される電力に再生可能エネルギーを活用した電気「かがやきGREEN (※1) 」を 2024 年 12 月から導入し、年間の事業活動における電力の使用に伴う CO2 排出量の実質 100%削減を実現する。

(※1) かがやきGREEN:北陸電力株式会社が提供する電気料金メニューのひとつ。火力・再生可能エネルギー等が混在した電気に環境価値を付加することで、CO2 排出ゼロの「実質再生可能エネルギー電気」を供給する。

<新工場の概要>
所在地 :福井県越前市今宿町 10-1-1
新棟着工 :2023 年 12 月
新棟稼働 :2025 年 1 月
敷地面積 :48,059 m2
延床面積 :23,662 m2(新工場棟、スピンドル・厚生棟の増築面積は 8,531 m2)
生産機種 :5 軸マシニングセンタ、横形マシニングセンタ、立形マシニングセンタ
月産台数 :約 40 台(20%増産)
従業員数 :約 150 名
投資金額 :約 28 億円

 ニュースリリース

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