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丸山製作所、世界初の小型作業機用2ストローク水素エンジン、安定運転に成功

・OPE製品に搭載可能な小型2ストロークエンジンにおいて100%水素燃料での安定運転に成功

・農機等のプロユース作業機でもゼロエミッションを目指す

 刈払機や防除機等の林業・農業用機械の開発製造を行う㈱丸山製作所(東京都千代田区)は11月24日、刈払機をはじめとするOPE(※)製品に搭載可能な小型2ストロークエンジンにおいて、世界初となる100%水素燃料での安定運転に成功したと発表した。これにより排出ガスのクリーン化を実現し、さらなる環境保全とプロユースの作業性の両立、カーボンニュートラルに向けた水素利用研究に取り組んでいく。

※OPE : 園芸用・農業用・林業用などで用いる小型屋外作業機。Outdoor Power Equipmentの略称。

■開発の背景
 カーボンニュートラル社会の実現に向け、OPE作業機においてもCO2を排出するエンジンからモーターへの電動化が進んできている。しかし、高負荷で長時間の作業が必要なプロ向け作業機では過酷な使用条件が求められるため、すべてを電動化することは困難と言われている。
 今回、安定運転に成功した小型2ストローク水素エンジンは、エンジンを真横にしたり逆さにしたりしても問題の無い作業性を実現した。さらに水素を燃料としているので、排出するガスがほぼ水(H2O)となり、作業機のクリーン化を実現する。

■作業機における2ストローク水素エンジンの特長
 2ストロークエンジンは、自動車などに使用される4ストロークエンジンに比べシンプルな構造のため、人が手に持ったり背負ったりするための小型軽量化が可能になる。また、排気弁や吸気弁といった動弁系を持たないため、メンテナンス性にも優れる。
 2ストローク水素エンジンの課題として、燃焼室内の残留ガスが火種となる自着火現象が発生するプレイグニッションがあった。そこで同社では、プレイグニッションを防止するために、水素燃料をエンジンに導入する場所とタイミングを見直し、圧縮前の低温環境の燃焼室へ燃料を導入した。また、オフセットシリンダを採用することで、高温の燃焼済みガスの残留を低減し、さらに低温の空気のみで掃気工程を行うことによって燃焼室内の温度低減を実現した。これにより自着火現象による不具合を防ぎ、水素燃料での安定運転を可能とした。
 また、潤滑オイルはクランクケースの別通路からクランクシャフトへ供給する構造とした。最も潤滑を必要とするコンロッドのクランクシャフト側のベアリングに直接オイルを供給する構造となっており、現行エンジンと同等の8,000rpm以上の高速運転も可能となっている。

 詳細は、ニュースリリース

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