アイダエンジニアリングが11月14日に発表した2024年3月期第2四半期累計(4〜9月)連結業績によると、受注高は、電気自動車向け高速プレス機の需要は堅調に推移するも、前年同期における駆け込み受注の反動により42,990百万円(前年同期比9.1%減)と なり、受注残高は過去最高を更新し78,758百万円(前年度末比12.0%増)となった。
売上高については、電気自動車関連の高速プレス機の売上増加及び円安影響等により34,575百万円(前年同期 比7.5%増)となった。
利益面では、原材料費、外注費、物流費等の原価高騰があったものの、増収及び製品ミックス改善による粗利率改善で、営業利益は1,427百万円(同99.3%増)、経常利益は1,461百万円(同85.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は固定資産の売却益等により1,148百万円(同131.7%増)となった。
第2四半期連結累計期間における世界経済は、コロナ禍からの正常化が進むとともに半導体等の供給制約も改善に向かい、全体として緩やかな回復基調にあるが、高インフレに伴う金融引き締めも経済活動の重荷となるとともに、欧州・中国経済の減速も全体を下押ししている状況。また、米中対立に加えウクライナ危機や中東問題等の地政学的要因も更なる下振れリスクとなっている。
鍛圧機械製造業界においては、国内外の堅調な需要を反映し、第2四半期連結累計期間の受注は前年同 期比9.9%増の87,417百万円(一般社団法人日本鍛圧機械工業会プレス系機械受注額)となった。
アイダ2024年3月期第2四半期データ
■セグメントごとの経営成績
日 本:売上高は前年同期並の18,493百万円(前年同期比1.3%減)となり、セグメント損益については、製品ミックス改善等により粗利率は改善したものの、売上不足等により225百万円の損失(前年同期は288 百万円のセグメント損失)となった。
中 国:個別プレス機と高速プレス機を中心にプレス機械売上が堅調に推移し、売上高は7,120百万円(前年同 期比33.6%増)となり、セグメント利益は販管費の減少もあり、510百万円(同101.5%増)となった。
アジア:汎用プレス機やサービス売上が堅調に推移するものの、個別プレス機売上が減少し、売上高は前年同 期比並の5,275百万円(前年同期比2.9%減)となり、セグメント利益は粗利率の改善により620百万円 (同82.5%増)となった。
米 州:主に個別プレス機の売上が減少し、売上高は7,382百万円(前年同期比9.9%減)となったが、セ グメント利益は製品ミックスの改善により164百万円(同232.6%増)となった。
欧 州:高速プレス機とサービス売上の増加により、売上高は8,062百万円(前年同期比61.5%増)となり、セ グメント利益については、原価高騰等で粗利率は低下したが、増収効果により213百万円(前年同 期比143.6%増)となった。
■今後の見通し
2023年5月15日に公表した2024年3月期第2四半期連結累計期間(4~9月)の業績予想値と、本日公表の実績値において差異が生じると共に、2024年3月期の通期連結業績予想を修正した。
売上高720億円(前期比4.7%増)、営業利益37億円(同140.2%増)、経常利益39億円(同122.2%増)、親会社株主に帰属す る当期純利益28億5,000万円(120.0%増)。