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東京計器、23年4〜9月売上は3.3%増192億円、23年度予想は6.1%増の470億円に上方修正

 東京計器が11月10日に発表した2024年3月期第2四半期累計(4〜9月)連結業績によると、売上高は、192億円(前年同期比3.3%増)、営業利益△3億9,900万円(前年同期は△6億1,500万円)、経常利益は△2億5,900万円(前年同期は△3億2,200万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は△2億3,700万円(前年同期は△2億2,900万円)となった。

 東京計器2024年3月期第2四半期データ

 第2四半期連結累計期間における世界経済は、金融引き締め政策の継続による欧米経済への影響や中国経済の回復遅れ、ウクライナ情勢の長期化等、厳しい状況が継続した。我が国経済においても、インバウンド消費の持ち直し等により景気は緩やかな回復傾向にあるが、日米金利差を背景とした円安や物価上昇、中国経済の更なる停滞等の影響が懸念される等、先行き不透明な状況が継続した。

 このような経営環境の下、同社グループの第2四半期連結累計期間の業績については、主に船舶港湾機 器事業において海外市場が好調に推移するとともに為替が円安に推移したことから、売上高は前年同期比で増収となり営業損失は縮小した。一方、前期における政策保有株式の縮減に伴う当期における受取配当金の減少等の影響により営業外収益が減少したこと等から、親会社株主に帰属する四半期純損失は前年同期並みとなった。

セグメント別の業績

〔船舶港湾機器事業〕

<売上高の状況> 前四半期に引き続き、海外市場において、東アジアでの新造船向けや欧米での在来船向け機器が増加したこと、保守サービスが堅調に推移したことに加え、為替が円安に推移したことから前年同期比で増収となった。

<営業利益の状況> 売上高の増加や円安効果もあり、前年同期比で大幅な増益となった。

〔油空圧機器事業〕

<売上高の状況> 工作機械市場及び建設機械市場においては堅調に推移したものの、プラスチック加工機械市場、中国を中心とした海外市場においては減少した。この結果、前年同期比で減収となった。

<営業利益の状況> 売上高は減少したが、販売価格の適正化による利益確保の取り組みが進展したこと等から、営業損失は縮小した。

〔流体機器事業〕

<売上高の状況> 官需市場、民需市場はいずれも堅調に推移した。また、消火設備市場は「ガス系消火設備の容器弁点検の安全性に係る点検」に基づく部品販売及び交換工事が好調に推移した。この結果、前年同期比で増収となった。

<営業利益の状況> 売上高の増加に加え、製品構成の変化により原価率が改善したため、営業損失は縮小した。なお、事業の特性上、売上が第4四半期に集中する傾向が強いため、第2四半期は営業損失となる傾向にある

〔防衛・通信機器事業〕

<売上高の状況> 通信機器事業においては、農機用自動操舵補助装置は低調に推移したものの、放送局向け機器、加速度計は堅調に推移したことから増収となった。一方、防衛事業においては、艦艇搭載機器は好調だったものの、前 年同期にあった海上保安庁向けVTSシステムの納入が当期はなかったことから減収となった。この結果、全体 としては、前年同期比で減収となった。

<営業利益の状況> 売上高の減少に加え研究開発の前倒しにより営業損失は拡大した。 なお、事業の特性上、売上が第4四半期に集中する傾向が強いため、第2四半期は営業損失となる傾向にある。

〔その他の事業〕

<売上高の状況> 検査機器事業においては、前年同期比で増収となった。一方、鉄道機器事業においては前年同期にあった超音波レール探傷車の納入が当期はなかったことから大きく減収となった。この結果、全体としては、前年 同期比で減収となった。

<営業利益の状況> 鉄道機器事業における売上高の減少等により営業損失となった。

■今後の見通し
 2024年3月期(2023年度)の連結業績予想については、5月12日に公表した業績予想に対し、売上高については、船舶港湾機器事業における新造船向け販売や、保守サービスの需要増が見込まれることから、前回発表予想を上回る見通しとなった。
 利益については、船舶港湾機器事業における売上高の増加と円安による原価率の好転に伴い、全ての利益段階で前回発表予想を上回る見通しとなったことから、連結業績予想を以下のとおり見直した。

 売上高470億円(前期比6.1%増)、営業利益17億1,000万円(同30.3%増)、経常利益18億86,000万円(同10.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益12億9,000万円(同47.8%増)。

 東京計器の2024年3月期第2四半期決算短信

 決算説明資料

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