kikai-news.net

コベルコ建機と冨島建設、「2023 年度インフラ DX」で「優秀技術賞」を受賞

・土砂災害対策工事の現場における、「K-DIVER」を活用した 重機遠隔操作の実用化検証が 国土交通省近畿地方整備局主催「インフラ DX」で「優秀技術賞」を受賞

 コベルコ建機㈱冨島建設(大阪府大阪市)は11 月 1 日、国土交通省近畿地方整備局主催「建設技術展 2023 近畿」の「2023 年度 インフラ DX」で、鹿島建設が実用化検証を発表したところ、「優秀技術賞」を受賞したと発表した。この共同検証は、鹿島建設からの発注を受け、 鹿島建設赤谷工事事務所内(奈良県五條市大塔町赤谷地区)の土砂災害対策工事において、K-DIVE Rの実用化検証を共同実施したもの。

 「K-DIVER」は、重機の遠隔操作システムと稼働データを用いた現場改善ソリューション。 建設業界では、危険を伴う労働環境や深刻な人手不足の改善が急務と言われている。「K-DIVER」 は、特定の人・場所・時間などの制約を受けずに建設現場での施工を可能とすることで、多様な人材 活用、現場生産性の向上、現場無人化を実現し、本質的な安全確保が行えるようになるのが特長。

 今回、「K-DIVER」による実用化検証を行った土砂災害対策工事は、鹿島建設が国土交通省近畿地方整備局より受注した「赤谷地区上流渓流保全工他工事」内の現場。

 2023 年 6 月から 10 月 に掛けて行った実用化検証の概要と成果は下記のとおり。

【赤谷地区における「K-DIVE」実用化検証について】

◎概要
 2011 年 9 月に発生した紀伊水害により深層崩壊が発生し、対策工事が進行中。斜面の再崩 落が繰り返される条件下、6 月から 10 月の出水期には再崩落の危険性もあるため、無人化施工が 進められており、その一環として K-DIVERの検証が行われた。現場のコベルコ建機製 20 ト ン級油圧ショベルと、約 70km 離れた冨島建設本社(大阪市)に設置した「K-DIVER」コックピ ットを専用光回線でつなぎ、土砂の掘削、ダンプの積み込み作業や整地敷均し作業、マシンガイダ ンスを使った法面成形などの土木作業を遠隔操作した。

◎本検証で実証できた成果
■土砂災害対策工事の現場に対して、「K-DIVER」による無人化施工を問題なく実施

 人が立ち入れない危険な大規模土砂災害対策工事の現場において、「K-DIVER」を使って重機を 遠隔操作し、無人化施工が問題なく行えることを確認した。

■現場で重機を稼働している感覚が得られる「コックピット」で、スムーズに操作 「K-DIVER」のコックピットでは、現場の音声に加えて、傾きや操作に影響する微細な振動をモ ーションシートにフィードバックする。急勾配や岩が多い現場でも重機に搭乗操作しているかのようなリアルな感覚が得られるので、オフィスからでも安全かつスムーズに重機を動かせた。

■「多接続機能」で、2 台のコックピットと現場の重機を接続現場の重機と、冨島建設本社、現場近くの事務所内の 2 カ所に設置した「K-DIVER」コックピットを接続した。コックピットを 2 カ所に置くことでコミュニケーションがより密に図れ、また 複数拠点から切り替えて 1 台の重機を問題なく遠隔操作できることを確認した。

■「ダッシュボード機能」を日報代わりにして、手間が軽減

 遠隔操作したデータはクラウドにアップロードされるので、日々の業務内容や進捗状況を一目で確認でき、日報代わりに作業データを活用できた。また、録画した動画により作業の振り返り が効果的に行えた。

 今回の共同検証により、「K-DIVER」を活用した大規模災害現場における無人化施工の本格導入 が進み、それによる効率化、安全性の向上が期待される。今後も「K-DIVER」では、より高度な 技術開発を進め、実用化に向けた取り組みを継続していく。

◎2023 年度「インフラ DX」で「優秀技術賞」について

 国土交通省近畿地方整備局では、これまで生産性向上として取り組んできた i-Construction 等 をより進化させるため、インフラDXを推進している。インフラ分野のDXに活用できる優れた 技術を発掘し、試行フィールドを提供することによって、技術開発を促進することを目的に「イン フラDXコンペ」を開催している。「優秀技術賞」は河川部門、土木部門でそれぞれ 1 案件ず つ、応募案件の中から最も優れた案件に贈られる。

 ニュースリリース
 *リリース内容から「ですます調」で表記しています。

モバイルバージョンを終了