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三菱重工グループ MHIEC、福島市から一般廃棄物焼却施設の建て替え工事を受注

・既存施設の老朽化に対応、20年間の運営業務も請け負う

・三菱重工設計・施工「あぶくまクリーンセンター」の代替として、処理能力120トン/日のストーカ式焼却炉を新設

・環境負荷低減や高効率発電の実現を通じ、同市の「ゼロカーボンシティ」推進に寄与

 三菱重工グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC、社長:菱沼 隆之、本社:横浜市西区)は、10月2日、福島市から「あぶくまクリーンセンター焼却工場再整備事業」を受注したと発表した。事業は、三菱重工の設計・施工により1988年から同市内で稼働する「あぶくまクリーンセンター」(処理能力240トン/日)の老朽化に伴い、処理能力120トン/日のストーカ式焼却炉(注1)を代替施設として整備するもので、DBO方式(注2)により20年間にわたる運営業務を一括で受託する。施設の建設と運営を合わせた総受注額は238.68億円(税抜)で、稼働開始は2028年4月を予定している。

 新施設は最新の一般廃棄物処理技術を導入しており、処理能力60トン/日のストーカ炉2基のほか、CO2排出量削減による環境負荷低減や高効率の発電能力を実現する。また、処理過程で発生する熱エネルギーの余熱利用として、近接する資源化工場および余熱を利用した健康施設「ヘルシーランド福島」に電力を供給するほか、ヘルシーランド福島に温水を供給する。これらを通じ、2050年度の温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す同市の「ゼロカーボンシティ」を推進する、住民に開かれた環境に優しい施設を目指す。

 今回の事業者選定は、金額に加えて技術力・運営ノウハウといった要素についても審査対象とする公募型プロポーザル方式により実施された。選定に当たっては、CO2発生量の低減に向けて地元企業による再生可能エネルギー比率100%の地域新電力を採用した点や、建屋に廃棄物由来の建材を取り入れて省資源化を図った点、木造の管理棟を採用して来場者や県道からの視点や周囲の森・公園との景観に配慮した点などが高い評価を受けた。MHIECは今回、福島市内の企業3社とともに地元密着型グループを結成して施設の建設・運営に当たり、地元企業との連携を重視した事業展開を実施する。

 三菱重工が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外を含めた豊富な廃棄物処理施設の建設・運営ノウハウを2008年に継承したMHIECは、多数の実績に基づく建設から運営まで含めた総合的ソリューション提案力を強みとし、施設の新設だけでなくアフターサービスやDBO方式のニーズなどにも対応している。今後も、既存施設の省エネ化やAI、IoTを活用した遠隔監視・自動運転支援による焼却炉の高度化、L.C.C.(ライフサイクルコスト)低減に向けた提案を積極的に推進し、国内外での受注拡大につなげていく。

(注1) ストーカ式焼却炉は、耐熱金属の角材を並べた床の上で、廃棄物などの焼却対象物を突き上げることで移動させながら燃焼させる炉で、一般廃棄物焼却炉の主流。

(注2) DBOは「Design・Build・Operate」の略で、自治体などの公共機関が資金を調達して施設を所有したまま、民間業者にその設計から運営までを委託する方式。

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