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ダイキン、「統合報告書2023」で油機事業の業績を公開、22年度売上は49%増の634億円、油圧機器業界3位に

 ダイキン工業は9月1日、ダイキングループ「統合報告書2023」を発行し、その中で、油機事業の連結売上高は前年度比49.2%増(+209億円)の634億円、連結営業利益は同28.2%増(+11億円)の50億円だったことを公表した。2022年・年度における油圧機器業界の売上高上位企業は、川崎重工業1,546億円、カヤバ(HC部門)1,379億円、不二越527億円(カーハイドロリクス217億円除く)、ナブテスコ510億円(いずれも直近の年間決算による油圧部門業績)であり、ダイキンは業界3位となった。今回の報告書では、国内で合弁販売会社を設立している提携先であるデンマークのダンフォスによる米国イートンの油圧部門(日本では、ダンフォス株式会社、2022年売上高122億円)買収については記載されていない。買収したデュプロ マティック社の売上高が寄与したとみられる。

 以下、「統合報告書2023」より油機事業を抜粋紹介。

 ダイキン独自の油圧技術は、省エネ性能に優れ、 パワーコントロールの可能性を拓き、産業の発展に貢献していきます。

■事業概況
 油機事業は、1929年、日本で初めて造船メーカーやエンジンメー カーの潤滑装置を手掛けて以来、世界の産業発展に貢献し続けている事業です。空調で培った省エネ技術を応用し、機械の高精度化、静音性の向上、小型化をテーマに、環境に配慮した油圧ポンプや油圧ユニットなどの開発・生産を行っています。

■市場環境
 産業機械用油圧機器では、グローバルで工作機市場での需要が好調に推移しました。建機・車両用油圧機器(販売合弁会社、ダイキン・ザウアーダンフォス含む)でも、需要は前期を上回り堅調に推移しました。

■2023年3月期の振り返り
 産業機械用油圧機器では、国内市場で工作機械向けを中心に販売が増加したことに加え、当期に買収したイタリアのデュプロマティック社(ニュースリリース、年間売上高は2021年で147百万ユーロ、約206億円、140円換算)が欧米向けの販売の増加に寄与し、売上高は前期を上回りました。建機・車両用油圧機器でも、国内市場および米国市場向けの販売が増加し、売上高は前期を上回りました。

■2024年3月期の戦略
 産業機械用油圧機器では、デュプロマティック社と一体となってハイブリッド製品を拡販するとともに、欧州市場へ本格参入し、環境貢献と事業拡大につなげます。米国事業では、メンテナンスやエンジニアリング要求に一括で応えるワンストップソリューションを強化します。建機・車両用油圧機器では、顧客ニーズに対応した商品で差別化を図り、グローバルでのさらなるシェア拡大を目指します。

■「FUSION25」の戦略
 脱炭素化に向けた省エネ機運の高まりを受け、これまで培ってきた技術力を活かした高効率商品のラインアップを拡充します。産業機械用油圧機器では、米国でソリューション事業を拡大するとともに、アジア・中国での収益性向上を図ります。また、買収したデュプロ マティック社を起点に、欧州市場への本格参入を果たし、グローバルでの事業拡大を加速します。建機・車両用油圧機器では、日本で 顧客密着の提案営業を強化するとともに、米国で小型建設機械向けに高効率で耐久性に優れた差別化商品を投入し、シェアアップを 図ります。

 *リリース内容から「ですます調」で表記しています。

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