kikai-news.net

三井E&S 、LNG燃料船向け高圧BOG圧縮機(WT-3型) 受注

 ㈱三井E&Sは8月8日、三菱造船(神奈川県横浜市)から高圧ボイルオフガス(以下「BOG」)圧縮機WT-3型 2台を受注したと発表した。同機は日本郵船今治造船で建造中の21万重量トン型ばら積船のLNG焚き二元燃料エンジン向け燃料供給装置として納入される。

 三井E&Sは、石油精製及び石油化学を始めとする各種産業向けに、ピストンの往復運動によってガスを昇圧して送り出す往復動圧縮機を1961年から製造を開始し、これまでに3,900台(三井E&Sグループ全体)の納入実績がある。各種産業分野で実績豊富なこの技術を用いて舶用分野に応用するために、三井E&Sの子会社である㈱加地テック(大阪府堺市)と共同で高圧BOG圧縮機の開発を進めてきた。

 同圧縮機は、高圧タイプのLNG焚き二元燃料エンジン向け専用機器として開発され、LNG燃料船の燃料タンクから自然発生する余剰なBOGを31.5MPaGまで昇圧してエンジンに供給し、エンジン駆動用燃料として利用する事ができる。従来は、燃料タンクから発生した余剰BOGは燃焼するなどして処分されていたが、同圧縮機によって船の推進用として有効活用する事で燃料消費量を削減し、運航コスト削減と船から排出するCO2の削減に貢献する。コンパクトなデザインであるため船内での配置も容易。

 三井E&SはLNG焚き二元燃料エンジン(ME-GI)で国内最多の製造実績がある。エンジンに加え、既にLNG燃料供給用ポンプMHP-3型の供給も始めており、BOG圧縮機も製品化することで、LNG燃料船で使われる主要な機器を1社で提供する事ができるようになった。

 三井E&Sは舶用推進機器のリーディングサプライヤーとして、船の脱炭素化・持続可能な社会の実現に向けて引き続き貢献していく。

 ニュースリリース

モバイルバージョンを終了