■第1四半期の概況
第1四半期における世界経済は、中国においてゼロコロナ政策解除後の経済活動再開による景気の回復に鈍化が見られることや、米国をはじめ世界各国におけるインフレや金融引き締めなどの影響が継続するなど、先行き不透明な状況が続いている。わが国経済は物価上昇や海外景気の下振れによる景気の下押し圧 力が継続したものの、生産、設備投資に一部持ち直しの動きが見られた。
芝浦機械グループを取り巻く経済環境は、部材・エネルギー価格の高止まりや中国、米国などの景気低迷の影響などにより厳しい状況が継続した。一方、世界的に脱炭素化などの社会課題解決に向けた動きが加速していることを背景として、EV、再生可能エネルギー、労働生産性向上などに関連した需要の拡大が継続した。
このような経済環境のもとで、芝浦機械グループは2023年度を最終年度とする中期経営計画「経営改革プラン」に基づき、高収益企業への変革に向けて、組織再編を中核とした経営改革、成長分野に対応した投資の推進、 資本効率(ROE)の向上を目指した財務戦略の実行を推進している。
2023年度の業績予想(2023年5月15日公 表)は、「経営改革プラン」最終年度(2023年度)の売上高、営業利益、営業利益率の目標値を超過する計画としており、達成に向けて引き続き各種施策を遂行していく。
■セグメント別の概況
<成形機事業>[射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など]
射出成形機においては、販売は北米における脱炭素化の動きを背景に中大型電動機が増加した。受注は国内で増加したものの、北米、中国で減少した。
ダイカストマシンにおいては、自動車向けが、販売は微減、受注は中国、北米で増加したものの、東南アジア で減少した。
押出成形機においては、リチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置が、販売は中国で大幅に増加、需要は引き続き高水準で推移しているが、受注計上のタイミングにより、受注は中国で減少した。
この結果、成形機事業全体の受注高は295億9千2百万円(前年同期比44.2%減、海外比率83.6%)、売上高は270 億3千8百万円(前年同期比48.1%増、海外比率87.6%)、営業利益は27億5千7百万円(前年同期比439.6%増)となった。
<工作機械事業>[工作機械(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤など)、超精密加工機など]
工作機械においては、販売は国内における産業機械向けが減少した。受注は北米におけるエネルギー関連向けが増加した。超精密加工機においては、販売及び受注は光学系金型向けが中国で減少した。
この結果、工作機械事業全体の受注高は70億2千2百万円(前年同期比10.8%減、海外比率54.3%)、売上高は46億6千6百万円(前年同期比21.3%減、海外比率60.9%)、営業損失は4億1千1百万円(前年同期は営業損失1億6千9百 万円)となった
<制御機械事業>[産業用ロボット、電子制御装置など]
制御機械においては、販売は国内における電子制御装置及びシステムエンジニアリングが増加した。
受注は国内における電子制御装置が増加した。
この結果、制御機械事業全体の受注高は19億9千6百万円(前年同期比3.7%増、海外比率8.2%)、売上高は27億6千9百万円(前年同期比34.7%増、海外比率5.0%)、営業利益は2億5千4百万円(前年同期比376.8%増)となった。
<その他の事業>
その他の事業全体の受注高は3億2千4百万円(前年同期比5.4%減、海外比率3.6%)、売上高は2億7千9百万円(前年同期比15.0%増、海外比率0.3%)、営業利益は1千9百万円(前年同期比8.2%減)となった。
■次期見通し
2024年3月期の見通しについては、売上高1,800億円(前期比46.1%増)、営業利益150億円(同160.2%増)、経常利益145億円(同174.7%増)、親会社株主に帰属 する当期純利益180億円(同179.4%増)と当初予想を据え置いている。