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日立建機、23年4~6月期売上収益は19.6%増の3,200億円、過去最高を記録

・通期予想1兆3,000億円(1.6%増)は変更せず

 日立建機が7月27日に発表した2024年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、売上収益は、過去最高の3,200億6百万円(対前年同期増減率19.6%)と大幅な増収になった。利益項目については、資材費や物流費を中心としたコスト増加の影響があったものの、継続的な原価低減活動や販売価格引き上げを推進し、売上収益の増加に為替影響等も加わった結果、調整後営業利益は、同じく第1四半期として過去最高の376億2千6百万円(同82.7%)と大幅な増益となった。これに伴い親会社株主に帰属する四半期利益についても、314億1千9百万円 (同69.2%)となった。

 日立建機2024年3月期第1四半期データ

■経営成績に関する説明
 日立建機グループは、2024年3月期より2026年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画 「BUILDING THE FUTURE 2025 未来を創れ」を新たに策定し、①顧客に寄り添う革新的ソリュー ションの提供、②バリューチェーン事業の拡充、③米州事業の拡大、④人・企業力の強化、の4 つの経営戦略を掲げて、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいる。

 第1四半期(4〜6月)における油圧ショベル需要 は、中国において前年同期比で大幅な減少が続いたが、その他の地域においては、西欧で減速感がみられたものの依然として前年同期並みの高い水準を維持した。

 マイニング需要は、高水準の資源価格を背景とした顧客の高い投資意欲や、高い稼働率に伴う オーバーホール需要および定期メンテナンス需要等が継続し、全体的に堅調に推移した。

 このような環境下、期初から生産活動が高水準に推移し、2022年3月から本格的な独自展開を進めている米州事業が前年同期比で大幅に増加したほか、これまで注力してきたマイニング事業 およびバリューチェーン事業も大きく伸長した。これらの結果に為替影響等も加わった。

■セグメントの業績
①建設機械ビジネス
 第1四半期における売上収益は、2,857億9千6百万円(同19.4%)、調整後営業利益は338億5千万円(同81.2%)と大幅な増収増益になった。
米州における独自事業が前年度から引き続き堅調に推移しているほか、他の地域でも旺盛な受注に支えられ、コンストラクション・マイニングの新車販売だけでなく部品サービスを 中心としたバリューチェーン事業も好調に推移し、前年同期比で大きく伸長した。

②スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス

 同事業は、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken Pty Limited及びその子会社と、サービスソリューションを提供するH-E Parts International LLC及びその子会社で構成されている。

 第1四半期における売上収益は、マイニングの市場環境が堅調に推移した結果、355億6百万円(同21.8%)、調整後営業利益も、売上収益の増加と為替影響、これまで 取り組んできた事業構造改革の結果、高収益事業が伸長したこと等により、37億7千6百万円 (同96.6%)と大幅な増収増益になった。
 なお、上記①②の売上収益についてはセグメント間調整前の数値。

■ 今後の見通し
 2024年3月期通期の油圧ショベル需要は、中国では市況の低迷が続くと見込まれるほか、欧州でも減速の兆しが見られる。一方で今後米国政府によるインフラ投資効果等が期待される北米をはじめとする、欧州以外の主要地域では、前年度と同等水準の需要を見込んでいる。これ らを勘案し、世界全体の油圧ショベル需要は約22.7万台と前回4月の公表時点の通期の見通しを据え置いた。

 また、マイニング製品の通期の需要については、一般炭価格が落ち着き、中小鉱山の投資意欲の低下が見込まれることなどから、小型のマイニングショベルでは需要の減少を見込む。しかしながら、日立建機のマイニング事業の中心となる超大型のマイニング機械は、コロナ禍後の経済刺激策を目的としたインフラ投資の高まりや、高水準を維持する資源価格等を背景に、グローバ ル全体の需要が底堅く、前年度並みの高い水準になると見込んでいる。

 以上のように、市場環境は一部地域・製品での需要減を想定するものの、全体としては概ね前年度と同等の高い水準を維持すると見込んでいる。こうした市場環境に加え、継続的に原価低減活動および販売価格の引き上げに取り組み、注力する米州事業やマイニング事業、バリューチ ェーン事業を中心に業績は堅調に推移すると見込んでいる。

 他方で、ひっ迫が続く海上輸送 の状況、資材費・物流費上昇などのリスクを慎重に考慮し、2024年3月期連結業績予想(2023年 4〜2024年3月)は、現時点では前回4月公表時点の見通しを据え置いた。

 売上高1兆3,000億円(前期比1.6%増)、調整後営業利益1,400 億円(同3.2%増)、税引前当期利益1,310億円(同16.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益820億円(同16.9%増)。

 なお、業績見通しの前提となる為替レートについても、米ドル130円、ユーロ130円、人民元18.1円、豪 ドル84円を据え置いている。

 日立建機の2024年3月期第1四半期決算短信

 2024年3月期第1四半期決算説明資料

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