・通期予想1兆3,000億円(1.6%増)は変更せず
■経営成績に関する説明
第1四半期(4〜6月)における油圧ショベル需要 は、中国において前年同期比で大幅な減少が続いたが、その他の地域においては、西欧で減速感がみられたものの依然として前年同期並みの高い水準を維持した。
マイニング需要は、高水準の資源価格を背景とした顧客の高い投資意欲や、高い稼働率に伴う オーバーホール需要および定期メンテナンス需要等が継続し、全体的に堅調に推移した。
このような環境下、期初から生産活動が高水準に推移し、2022年3月から本格的な独自展開を進めている米州事業が前年同期比で大幅に増加したほか、これまで注力してきたマイニング事業 およびバリューチェーン事業も大きく伸長した。これらの結果に為替影響等も加わった。
■セグメントの業績
①建設機械ビジネス
米州における独自事業が前年度から引き続き堅調に推移しているほか、他の地域でも旺盛な受注に支えられ、コンストラクション・マイニングの新車販売だけでなく部品サービスを 中心としたバリューチェーン事業も好調に推移し、前年同期比で大きく伸長した。
②スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス
第1四半期における売上収益は、マイニングの市場環境が堅調に推移した結果、355億6百万円(同21.8%)、調整後営業利益も、売上収益の増加と為替影響、これまで 取り組んできた事業構造改革の結果、高収益事業が伸長したこと等により、37億7千6百万円 (同96.6%)と大幅な増収増益になった。
なお、上記①②の売上収益についてはセグメント間調整前の数値。
■ 今後の見通し
2024年3月期通期の油圧ショベル需要は、中国では市況の低迷が続くと見込まれるほか、欧州でも減速の兆しが見られる。一方で今後米国政府によるインフラ投資効果等が期待される北米をはじめとする、欧州以外の主要地域では、前年度と同等水準の需要を見込んでいる。これ らを勘案し、世界全体の油圧ショベル需要は約22.7万台と前回4月の公表時点の通期の見通しを据え置いた。
以上のように、市場環境は一部地域・製品での需要減を想定するものの、全体としては概ね前年度と同等の高い水準を維持すると見込んでいる。こうした市場環境に加え、継続的に原価低減活動および販売価格の引き上げに取り組み、注力する米州事業やマイニング事業、バリューチ ェーン事業を中心に業績は堅調に推移すると見込んでいる。
他方で、ひっ迫が続く海上輸送 の状況、資材費・物流費上昇などのリスクを慎重に考慮し、2024年3月期連結業績予想(2023年 4〜2024年3月)は、現時点では前回4月公表時点の見通しを据え置いた。
売上高1兆3,000億円(前期比1.6%増)、調整後営業利益1,400 億円(同3.2%増)、税引前当期利益1,310億円(同16.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益820億円(同16.9%増)。
なお、業績見通しの前提となる為替レートについても、米ドル130円、ユーロ130円、人民元18.1円、豪 ドル84円を据え置いている。