kikai-news.net

竹内製作所、2023年3〜5月売上は25.0%増の530億円、営業利益は59.5%増 の85億円

 ㈱竹内製作所が7月13日に発表した2024年2月期第1四半期(2023年3〜5月)連結業績によると、売上高は530億3千9百万円(前年同期比25.0%増)となった。利益面については、原材料価格の高騰や2022年9月に稼働開始した米国工場の減価償却費や労務費等の減益要因はあったものの、販売台数の増加、製品価格の値上げ、運搬費の減少、及び円安影響等により、営業利益は85億4千2 百万円(同59.5%増)、経常利益は83億8千3百万円(同45.1%増)、親会社株主に帰属する四 半期純利益は、税金費用を22億8千万円計上したことにより、61億3百万円(同44.2%増)となった。

 第1四半期(23年3〜5月)の世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や世界的なインフレ、各国の政策金利の引き上げによる金融不安等の影響により、先行き不透明な状況が続いているものの、米国では雇用・所得環境に着実な改善がみられ、欧州では2023年成長率がほぼ全てのEU加盟国で上方修正されるなど、緩やかながらも持ち直しの動きがみられた。
このような環境のもと、同社グループの販売状況は欧米ともに好調に推移しており、特に米国でミニショベル及び クローラーローダーの販売台数が大きく伸びた。また、2023年3月にはミニショベル「TB350R」及びホイール式 油圧ショベル「TB395W」を市場投入した。これら新製品を加えた豊富な製品ラインナップで、市場シェアの拡大を図っている。

 竹内製作所グループは第三次中期経営計画(2023年2月期〜2025年2月期)において、最終年度となる2025年2月期の 連結売上高の目標を2,400億円としており、この目標達成に向けて生産能力の増強に取り組んでいる。2022年9 月からセミノックダウン方式によりクローラーローダーの生産を開始した米国サウスカロライナ州の工場に続き、 2023年9月には長野県小県郡青木村で青木工場が稼働を開始し、4トンから9トンのミドルクラスのショベル生産を本社工場から移管する予定。米国工場、青木工場のフル稼働は2025年2月期を見込んでおり、既存の本社工場と 合わせた生産能力は概ね1.5倍となる見込み。

 製品需要は好調ながらも、これまでに積み上がった受注残高があるため、第1四半期の受注高は 476億2千3百万円(前年同期比28.5%減)となり、第1四半期末の受注残高は、前年度末 に比べ54億1千5百万円減少し、1,853億3千2百万円となった。

 竹内製作所2024年2月期第1四半期データ

■セグメント別の経営成績

(日本)日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められている。欧州で は、住宅ローン金利の上昇とエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げているものの、生活インフラ工事や建設投資などの非住宅関連の建設工事が堅調で、製品販売は好調に推移した。電子部品の供給量が一時的に回復した影響により、販売台数が大きく増加した前年同期に比べて、欧州ディストリビューター向けの販売台数は減少したが、製品価格の値上げ及び円安影響により、売上高は191億2千8百万円(前年同期比13.2%増)となった。セグメント利益は原材料価格の高騰等の減益要因はあったものの、 製品価格の値上げ、運搬費の減少、及び円安影響等により、55億7千7百万円(同40.5%増)となった。

(米国)米国セグメントでは、住宅市場において住宅ローン金利と住宅価格の高止まり等により、住宅着工件数は調整局面にあったが、住宅に対する潜在需要は根強く、一時より住宅ローン金利が安定的に推移していることを背景に、足元では回復に転じている。また、生活インフラ工事や建設投資などの非住宅関連の建設工事が旺盛で、 製品販売は欧州以上に好調に推移した。米国でのミニショベル及びクローラーローダーの販売台数が大きく増加したことに加えて、製品価格の値上げ及び円安影響等により、売上高は277億2千1百万円(前年同期比37.9% 増)となった。セグメント利益は、2022年9月に稼働開始した米国工場の減価償却費や労務費等の減益要因は あったものの、25億3百万円(同4.7%増)となった。

(英国)英国セグメントでは、住宅ローン金利の上昇とエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げているものの、生活インフラ工事や建設投資などの非住宅関連の建設工事が堅調で、製品販売は好調に推移した。この結果、ミニショベルの販売台数が前年同期に比べて増加したことに加えて、製品価格の値上げ及び円安影響等により、 売上高は38億1千3百万円(前年同期比8.8%増)となり、 セグメント利益は5億1千4百万円 (同43.6%増)となった。

(フランス) フランスセグメントでは、住宅ローン金利の上昇とエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げているものの、生活インフラ工事や建設投資などの非住宅関連の建設工事が堅調で、製品販売は好調に推移 した。この結果、ミニショベルの販売台数が前年同期に比べて増加したことに加えて、製品価格の値上げ及び円安影響等により、売上高は23億6千8百万円(前年同期比28.0%増)となり、セグメント利益は2億6千9百万 円(同91.1%増)となった。

(中国)中国セグメントは、日本セグメントに向けた建設機械の部品の製造・販売が事業の大半であり、外部顧客への売上高は7百万円(前年同期比85.2%減)となり、セグメント利益は5百万円(前年同期は7百万円のセグメント損 失)となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
 2023年4月11日の決算短信で公表した通期の連結業績予想(下記)は変更していない。

 連結売上高1,890億円(前年度比 5.6%増)、営業利益240億円(同13.1%増)、経常利益 239億円(同11.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益172億円(同7.6%増)。

 なお、業績予想における為替レートは、1米ドル=127円、1英ポンド=154円、1ユーロ=136円、1人民元= 18.70円を前提としている

 竹内製作所の2024年2月期第1四半期決算短信

 決算参考資料

モバイルバージョンを終了