・準備会社設立で基本合意
SBIホールディングス(東京都港区)は7月5日、台湾の半導体ファウンドリ大手Powerchip Semiconductor Manufacturing Corporation(以下、PSMC)と日本国内での半導体工場設立に向けた準備会社を設立することについて基本合意したと発表した。
日本政府は2021年6月に半導体・デジタル産業戦略を策定し、日本国内における半導体産業を抜本的に育成していくことの必要性を表明した。その後、ロシアによるウクライナ侵略は世界の安全保障環境を劇的に変化させ、歴史的なインフレ、エネルギー価格の高騰、サプライチェーンの混乱等が顕在化するようになった。
我が国においては、1990年代に半導体のグローバルシェア50%程度を誇っていたが、現在は同シェアが10%以下にまで下がっている。2030年までに世界の半導体市場は100兆円に達するとされており、日本が再び半導体産業を活性化するためには半導体産業をリードする台湾企業と提携をすることが成功への大きな鍵となってくる。
また、今後これまで以上に地政学リスクを考慮した調達がAI産業・自動車産業に限らずありとあらゆる産業で求められる中、日本が半導体のグローバルサプライチェーンの起点となっていくことは中東、アジア及び欧米諸国からも求められてくると考えている。
このような中で、SBIグループは台湾の半導体ファウンドリ大手であるPSMCと日本での半導体工場の設立に向けた準備会社を共同設立することについて基本合意した。PSMCは台湾3位、世界6位の半導体ファウンドリ大手であり、メモリとロジックの両方を生産できる世界的にも稀有な企業。
また、多くの半導体企業は最先端または先端技術に特化した投資をしているが、PSMCは車載向け半導体需要の90%以上を占めるとされている28nm以上の半導体を高品質で安価・大量に生産するビジネスモデルを有している。半導体は1つが欠けても製品にはならないが、PSMCはこれまで培ってきたノウハウを活用し、日本そして世界の半導体安定供給に寄与してもらう。
今後、SBIグループとPSMCは準備会社を早期に設立し、同準備会社にて、工場立地場所の選定、事業計画の策定、資金調達の計画等を実施していく。工場の建設開始時期や稼働時期などの詳細については、改めて具体的になった時点で発表する。
SBIホールディングスとしては「金融を核に金融を超える」という理念のもと、日本が再び半導体産業を勃興し、日本が半導体のグローバルサプライチェーンの起点となり、様々な産業の発展に寄与していけるように貢献していく。
<提携先の概要>
社名:Powerchip Semiconductor Manufacturing Corporation
(力晶積成電子製造股份有限公司)
事業概要:スペシャリティーロジック、ニッチ市場向けメモリ、ディスクリートの半導体ファウンドリ事業
設立:1998年
代表者:黄崇仁(Frank C.Huang)