・23年度売上予想は600億円、営業利益予想は12億円
■経営成績の概況
また、中国経済においては、これまで堅持していたゼロコロナ政策を急激に政策転換したものの景気回復には至らず、先行き不透明な状況は継続している。
このような状況下、加藤製作所は2022年度を初年度とする中期経営計画の基本方針にて掲げた「収益性改善・強化」「財務体質の改善」「将来の基盤構築」に取り組んできた。
■セグメント別の経営成績
①日本
国内向け油圧ショベル等の売上高は、サプライチェーン混乱の影響を受け、85億3千3百万円(前年同期比74.4 %)となった。海外向け油圧ショベル等は、欧米向けが堅調に推移する一方、その他の地域が伸び悩み、売上 高は63億5百万円(前年同期比92.7%)となった。
以上の結果、日本の売上高は509億7千4百万円(前年同期比93.7%)、セグメント利益は18億4千5百万円(前年同 期はセグメント損失23億3百万円)となった。
②中国
中国は、インフラ投資鈍化や地場メーカーの販売攻勢により、厳しい販売環境にて推移した。 売上高は29億6千8百万円(前年同期比49.4%)となり、セグメント損失は9億7千2百万円(前年同期はセグメント損失51億6千9百万円)となった。
③その他
その他の地域においては、欧州等の一部地域において旺盛な需要はあったものの、他地域が伸び悩んだ。 売上高は55億7千2百万円(前年同期比95.7%)となり、セグメント利益は4千9百万円(前年同期はセグメント損失1億3千8百万円)となった。
■主要品目別売上高の状況
①建設用クレーン
②油圧ショベル等
国内売上高は、サプライチェーン混乱の影響があり、85億3千3百万円(前年同期比74.4%)となった。海外売上高は、中国において景気後退により減少したものの、北米・欧州での需要が増加したため、128億9千8百万円 (前年同期比93.3%)となった。よって、油圧ショベル等の売上高は214億3千1百万円(前年同期比84.7%)となった。
③その他
その他の売上高は9億8百万円(前年同期比82.8%)となった。
■今後の見通し
新型コロナウィルス感染症回復過程による需要回復や各種政策効果もあって、経済環境は好転していくことが期待されるが、他方で、ロシア・ウクライナ侵攻長期化やインフレ進行に伴う欧米の金融引き締め政策による景気 後退懸念が、日本経済に伝搬し下押しする懸念がある。
そうした中、同社グループは、中期経営計画を策定し、2023年3月期よりスタートしている。中期経営計画 2年目となる2024年3月期の連結業績は、継続して中期経営計画で掲げた施策「収益性改善・強化」「財務体質の 改善」「将来の基盤構築」に取り組むが、主力製品における一部主要部品供給制限の可能性や為替差益剥落の可能性を考慮し、売上高は600億円、営業利益は2023年3月期と同等の12億円、経常利益は9億円、親会社株主に帰 属する当期純利益は連結子会社KATOWORKS(THAILAND)CO.,LTD.における固定資産売却による特別利益を踏まえ、20 億円を見通している。