・3,000MW、525kV の HVDC 変換所により、米国南西部への再生可能エネルギー供給を支援
日立エナジーは5月11日、米国の再生可能エネルギー開発会社である Pattern Energy(パターン・エナジ ー)との、3,000MW、525kV の HVDC 変換所 2 基の受注契約を完了したと発表した。
プロジェクトは、南カリフォルニアをはじめとする米国南西部に再生可能エネルギーを供給する、米国最大電圧・容量 *1 かつ世界最大規模の自励式 HVDC プロジェクトとなる。また、送電距離においても、米国最長規模になる。日立エナジーは、すでに同プロジェクトのパートナーとして、 段階的に作業を進めており、2026 年のサンジア風力発電所の試運転に向けて、HVDC 変換所を 2025 年末までに納入する予定。
*1 2023 年 5 月 4 日時点 日立エナジー調べ
サンジア風力発電所は完成後、約 300 万人の電力需要を満たす2 、3,500MW の発電容量を持つ予 定。日立エナジーは、この電力のうち最大 3,000MW を米国南西部の電力網へ効率的に届けるためのHVDC 変換所を提供し、家庭や企業がアクセスできる持続可能なエネルギーの大幅な拡大に寄与する。 また、天候などの不測の事態により電力の流れが一時的に中断された場合の復旧に用いる交流チョッパ3 も提供する。日立エナジーはすでにど同プロジェクトにおける HVDC 変換所の設計とエンジニアリングに着手しており、 今回納入する設備が既存の送電網に与える影響を考慮した最適な解決策を提供するための調査・分析 を実施している。
*2 https://patternenergy.com/projects/sunzia/ (英語サイト) *3 電流のオン・オフを繰り返すことにより、任意の電圧・電流をつくりだす装置
日立エナジーのグリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員であるニクラス・パーソン氏は、「米国南西 部の人々のために、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速することを誇りに思います。本プロジェクトにより、パターン・エナジーは、CO 2 排出量ゼロの電力を地域の電力網に連系することができます。 当社は、豊富なノウハウを組み合わせた HVDC 技術により、再生可能エネルギー源を効率的かつ確実に 活用し、米国のカーボンニュートラル目標の達成を支援するパートナーとして選ばれています。 」と述べている。
パターン・エナジーのハンター・アミステッド CEO は、「日立エナジーとの協業は、サンジア送電プロジェクトにと って重要なマイルストーンであり、再生可能エネルギーの需要が高い地域に大規模な電力を届けることを可 能にします。HVDC 技術は、電力網の信頼性とレジリエンスを高め、クリーンエネルギーの供給と米国におけ る持続可能なエネルギーシステムの展開において極めて重要な役割を果たします。」と述べている。
日立エナジーは、北米の建設会社である Quanta Services(クアンタ・サービス)と提携し、サンジアプロジェ クトサイトでの HVDC のターンキープロジェクトソリューションを提供する。クアンタ・サービスは、公益事業、再 生可能エネルギー、通信、パイプライン、およびエネルギー業界に特化したインフラソリューションを提供する業界リーダー。今回のコラボレーションは、両社のコアコンピタンスを活用して、プロジェクトに最高クラスのソリュー ションを提供することを目的としている。
■日立エナジーの HVDC について
日立エナジーの HVDC ソリューションは、HVDC 変換バルブおよびデジタル制御プラットフォーム MACHTM*4 、 変換用変圧器、高電圧開閉装置、システム調査、設計・エンジニアリング、供給、据付管理、試運転に 関する世界トップレベルの専門知識を結集したもの。
HVDC Lightは、日立エナジーが開発した変換技術で、変換所がコンパクトかつ電力損失が極めて低い という特長を有しており、各国送電網の相互連系、再生可能エネルギーの連系、陸上から洋上への電力 供給など、多くの場面で活用されている。また、送電線設置のための用地確保が困難な都市部において も、大容量かつ高品質な電力供給を可能とする。
日立エナジーは、約 70 年前に商用 HVDC 技術を開発し、以来、世界の HVDC プロジェクトの半分以 上を納入してきた。北米においても半分以上の HVDC プロジェクトでシステムを納入しており、実績とし ては、太平洋岸北西部からロサンゼルスまで送電する「パシフィック・インタータイ連系線」や、世界初の大規模多端子 HVDC システム「ケベック・ニューイングランド連系線」5 、カナダ・ニューファンドランド島とノバスコシア 州を結ぶ「マリタイム連系線」などがある。また、近年の新しい HVDC プロジェクトとしては、シャンプレー ン・ハドソン・パワー・エクスプレス6 、ハイドロ・ケベックによるシャトゲ変換所の設備更新*7 、ユタ州とカリフォル ニア州ロサンゼルス地域を結ぶインターマウンテン・パワー・プロジェクト *8 などを発表している。
*4 Modular Advanced Control for HVDC (MACH™)制御保護システム *5 Québec – New England | Hitachi Energy (英語サイト) *6 シャンプレーン・ハドソン・パワー・エクスプレス *7 ハイドロ・ケベックによるシャトゲ変換所の設備更新 *8 インターマウンテン・パワー・プロジェクト
■HVDC ウェブサイト https://www.hitachienergy.com/jp/ja/offering/product-and-system/hvdc
■日立エナジーについて
日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速する、グローバルな技術リーダーで す。さまざまな分野のお客さまに、バリューチェーン全体にわたる革新的なソリューションとサービスを提供すると ともに、お客さまやパートナーとの協創により、カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー転換に必要な、デ ジタル技術を活用した変革を実現します。日立エナジーは、社会価値、環境価値、経済価値のバランスを 取りながら、世界でより持続可能、より柔軟、より安心・安全なエネルギーシステムを構築する取り組みを進 めています。スイス・チューリッヒに本社を置き、全世界 90 カ国に約 40,000 人の従業員を擁しており、140 カ国以上の導入実績と、約 1 兆円の事業規模を有しています。
3 / 4 詳しくは、ウェブサイト(https://www.hitachienergy.com/jp/ja)をご覧ください。
■日立エナジー関連リンク
(1) 公式 Linkedin(英語) https://www.linkedin.com/company/hitachienergy
(2) 公式 Twitter(英語) https://twitter.com/HitachiEnergy
■日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。 お客さまの DX を支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献す る「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネク ティブインダストリーズ」の事業体制のもと、IT や OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用する Lumada ソリ ューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客 さまとの協創で成長をめざします。2022 年度(2023 年 3 月期)の連結売上収益は 10 兆 8,811 億円、 2023 年 3 月末時点で連結子会社は 696 社、全世界で約 32 万人の従業員を擁しています。
詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。
■日立グループ パワーグリッドポータルサイト https://www.hitachi.co.jp/products/energy/pg/
ニュースリリース
*リリース内容から一部「ですます調」で表記しています。