コマツは、次の100年に向けて新たな価値創造を目指し、昨年4月より2025年3月期をゴールとす る3カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value – Together, to “The Next” for sustainable growth」をスタートした。1イノベーションによる成長の加速、2稼ぐ力の最大化、3レジリ エントな企業体質の構築を成長戦略の3本柱として掲げ、収益向上とESG課題解決の好循環による持続的成長を目指すサステナビリティ経営を引き続き重視し、需要変動に左右されにくい事業構造の構築に向け、活動を進めている。
■部門別の概況
[建設機械・車両]
■地域別の概況
<日本> 日本では、公共工事及び民間工事向けの新車需要は減少したものの、新車販売の増加や販売価格の改善などにより、売上高は前期を上回った。
<米州> 北米では、一般建機の需要は金利上昇の影響で住宅建設向けが減少したものの、、イン フラ向けが好調に推移し、エネルギー関連向けも引き続き増加した。加えて、鉱山機械の需要が好調に推移したことや、販売価格の改善及び円安の影響もあり、売上高は前期を大幅に上回った。中南米では、一般建機の需要は第3四半期以降減速しているものの、鉱山機械の需要は堅調に推移した。鉱山機械の部品・サービスの売上げ増加や、販売価格の改善及び円安の影響により、 売上高は前期を大幅に上回った。
<欧州・CIS> 欧州では、エネルギー価格高騰などの影響はあるものの、サプライチェーンの混乱が改善し、主要市場であるドイツ、英国、フランスを中心に一般建機の販売が増加した。販売価格の改善などにより、売上高は前期を大幅に上回った。 CISでは、ウクライナ情勢に起因したサプライチェーン及び金融・経済の制約の影響から、売上高は前期を大幅に下回った。
<中国> 中国では、ゼロコロナ政策などによる経済活動の停滞により需要が低迷したことから、売上高は前期を下回った。
<アジア・オセアニア> アジアでは、インドネシアにおける石炭、ニッケル鉱山向け機械の需要が好調であったことに加え、フィリピン、ベトナム、マレーシアを中心に一般建機の需要が堅調であったことから、売上高は前期を大幅に上回った。 オセアニアでは、鉱山機械及び一般建機の需要が堅調に推移した。部品・サービス売上げが 増加したことや円安の影響もあり、売上高は前期を上回った。
<中近東・アフリカ> 中近東では、サウジアラビアやUAEなどの産油国でのプロジェクトなどにより、一般建機の需要が好調に推移したことから、売上高は前期を大幅に上回った。 アフリカでは、主に南部アフリカ地域における鉱山機械の需要が好調に推移したことから、売上 高は前期を大幅に上回った。
■次期の見通し
リテールファイナンス部門では、主に円高の影響や、22年度に計上した貸倒引当金の戻入益及びリース終了後の中古車の再販益が見込めなくなることなどから、減収減益となる見通し。
産業機械他部門では、半導体産業向けエキシマレーザー関連事業の売上げは引き続き堅調に推移 し、自動車産業向けの鍛圧機械、板金機械、工作機械についても大型プレス機などを中心に売上げ が増加することから、増収増益となる見通し。
これにより、2024年3月期の連結業績の見通しは、下記のとおり売上高は減収となる見込み。営業利益は販売価格の改善などにより当期並み、株主に帰属する当期純利益は金利上昇による支払利息の増加などにより減益となる見通し。
売上高3兆3,820億円(前期比4.6%減)、営業利益4,910億円(同0.1%増)、税引前当期純利益4,420億円(同7.2%減)、株主に帰属する当期純利益2,990億円(同8.4%減)。
業績見通しにおける為替レートは、1米ドル=125.0円、1ユーロ=133.0円、1豪ドル=83.0 円を前提としている。