・24年2月期予想は4.3%増の5,800億円
■地域別経営環境
日本:需要は総じて堅調に推移したが、期末にかけて半導体市場ではメモリ価格の下落によって在庫調整が進んだ。
米国:自動車やオイル・ガス関連などの設備投資が期を通じて拡大し、一般産業においても自動化投資が継続するなど、需要は好調に推移した。
欧州:自動車や木工機械などを中心に、生産設備の自動化に向けた積極的な投資が継続するなど、需要は底堅く推移した。
中国:EV化の加速を背景に、自動車やリチウムイオン電池など一部の市場で需要は好調に推移した。その一方、コロナ禍におけるロックダウンやゼロコロ ナ政策終了に伴う感染拡大などにより経済活動が停滞し、期末にかけて一般 産業を中心に設備投資は伸び悩んだ。
中国除くアジア:韓国・台湾などで半導体市場の需要が期末にかけて減少したものの、自動車 やリチウムイオン電池関連などの設備投資は総じて高い水準で推移した。
■セグメント別経営成績
<モーションコントロール>
売上収益 2,521億26百万円 (前年同期比 +10.9% )、営業損益 361億93百万円 (前年同期比 △5.2% )
〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕 米国・日本などで上期を中心に半導体・電子部品向けの需要が好調に推移した一方、中国においては、コロナ禍による経済活動の停滞影響を受け、一般産業を中心に設備投資は低迷した。
〔インバータ事業〕米国においてオイル・ガス関連の需要が大幅に増加したほか、グローバルで脱炭素化(カーボンニュートラル)を意識した省エネ化投資が加速した。また、生産面においては上期に中国のロックダウン影響を受け遅れが生じていたが、期末にかけて部品不足が改善するなど生産を挽回したことから、事業全体の売上収益は大幅に伸長した。
<ロボット>
売上収益 2,238億29百万円 (前年同期比 +25.3% )、営業損益 261億26百万円 (前年同期比 +51.5% )
<システムエンジニアリング>
売上収益 511億11百万円 (前年同期比 △2.2% ) 、営業損益 25億74百万円 (前年同期比 +21.0% )
鉄鋼プラントや上下水道用電気システム関連の売上が伸び悩んだ一方、太陽光発電用パワーコンディショナの販売は伸長した。この結果、セグメント全体の売上収益は前年同期比で減少したが、利益面においては効率的な事業運営や経費抑制の徹底により、増益となった。
<その他>
売上収益 288億88百万円 (前年同期比 +38.3% )、営業損益17億87百万円 (前年同期比 +365.3% )
その他セグメントは、物流サービス事業などで構成。営業利益は不動産の売却益などにより増加した。
■2024年2月期業績予想
2024年2月期(2023年3月1日~2024年2月29日)の安川電機グループを取り巻く経営環境は、EVやリチウムイオン電池関連をはじめ、製造全般における自動化・省力化に関する設備投資が継続する見込み 。これらの継続的な需要を的確に捉えることに加え、受注残の確実な消化により売上は伸長する計画。
このような状況を受け、2024年2月期の業績予想は以下のとおり。
売上収益5,800億円(前期比4.3%増)、営業利益700億円(2.5%増)、税引前利益727億円(2.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益513億円(0.9%減)。
2023年3月1日から2024年2月29日までの期間における平均為替レートは、130円/米ドル、 140円/ユーロ、19円/元、0.1円/ウォンを想定している。