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コマツ産機、業界初の水中切断ファイバーレーザー加工機 「TWCL10-1」、「TWCL08-1」を発売

・顧客の現場における品質と生産性の向上およびカーボンニュートラル実現に貢献

 コマツの100%子会社であるコマツ産機は2月24日、2023年1月より、業界初の水中での形状切断を実現したファイバーレーザー加工機※1である「TWCL10-1」、「TW CL08-1」の販売を開始したと発表した。

 一般的にファイバーレーザー加工機は、皮膚への露光や拡散反射の観察の危険性により、安全に作業を行うために機体全面をカバーなどで覆うことが必要。当該機は、コマツ産機独自開発の方式により、ファイバーレーザー加工機から射出されるレーザー光を水中で安全なレベルまで減光している。これにより、マシンカバーレスで、レーザー安全クラス1※2を実現した。マシンカバー不要でレーザー安全クラス1を実現した厚板鋼板向けファイバーレーザー加工機は、当該機が業界初となる。

 カバー不要による作業性向上に加え、水中でレーザー切断することにより鋼板の温度上昇が少なくできるため、熱影響による切断不良の低減や歩留まり改善が期待できる。加えて、有害物質を含んだ物質(ヒューム)の発生も抑制でき、従来必須であった集塵機が不要になることにより、使用電力の削減と作業環境の改善が可能となり、従来のファイバーレーザー加工機と比較し、大幅なCO2排出量削減に貢献する。

 コマツ産機は、レーザー加工機、プラズマ切断機を市場導入して以来、つねに業界をリードする技術開発に取り組んできた。これまで培ってきた技術やノウハウおよび先進のICT技術を投入した「TWCL10-1」、「TWCL08-1」により、顧客の現場における品質と生産性の向上および、カーボンニュートラル実現に貢献していく。

 コマツグループでは、収益向上とESGの課題解決の好循環による持続的成長を目指し、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、活動の対象を、自社の拠点や自社の製品使用時だけでなく、顧客の現場全体に拡大し、顧客の施工の最適化を通じて、社会全体のCO2排出量の削減に向けて取り組みを推進している。今後も顧客とともに新たな価値創造を目指し、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場の実現を加速させる。

※1:ファイバーレーザー加工機とは、光ファイバーを使った固体レーザー加工機のことで、CO2レーザーと比較して、エネルギー効率が高く、発振器のメンテナンスが容易であり、レーザーガスが不要であることからCO2レーザーからの置き換えが進んでいる。

※2:レーザー安全クラスとは、「JIS C 6802」によるレーザー製品の安全基準のことで、クラス1~クラス4までで定義される。クラス1レーザー製品は、特別なレーザー用の安全保護具を着用しなくても安全であるレーザー製品を指す。一般的な大型のガントリータイプのファイバーレーザー加工機はクラス4。

<発売概要>
発売月:2023年1月
公表価格:1億2,000万円 ※TWCL10-1 運送据付費・消費税別途
年間販売目標:25台(国内のみ)

 詳細は、ニュースリリース

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