・塗装ブース内の走行装置を無くすことで設備トータルコストの大幅削減を実現
自動車ボディーの塗装時には、蓋物といわれるドア、エンジンフード、テールゲートの開閉を行い、それらの外側、内側を効率よく均一に塗装する必要がある。
この塗装工程は内板塗装工程と呼ばれ、従来の自動化設備では、ドアの開閉動作は塗装用ガンとドアを開閉するハンドの両方を装備した塗装ロボット、もしくは走行装置に搭載されたドア開閉ロボット(オープナーロボット)にて対応していた。前者は生産タクト増や開閉に使うジグが複雑化する問題があり、後者でも長大な走行装置を設置する必要があるため塗装ブース幅の拡張や補強などのイニシャルコストおよびメンテナンスコスト増大につながっていた。
開発したMOTOMAN-MPO10Lは、搬送コンベヤに追従しながらドアの開閉や保持動作が可能なため、走行装置を無くした設計とすることができた。これにより、導入・稼働・メンテナンスの各場面においてコストを削減するほか、既設の人手による塗装工程の自動化も容易となる。
また、新たに設置する設備ではブース幅を短縮できることから、空調エネルギーの削減が可能となり、カーボンニュートラルにも貢献する。
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