東邦チタニウム(横浜市西区)は2月9日、若松工場(福岡県北九州市)に約 94 億円投じてニッケル粉の新工場を建設し、生産能力を増強すると発表した。生産能力を既存生産能力に対して約 20%増やす。2025 年度完工、営業運転を開始する。
■新工場建設に至った背景
(1)ニッケル粉は、積層セラミックコンデンサ(MLCC:Multilayer Ceramic Capacitor)の
内部電極として使用される。MLCC は電気・電子製品等における「電源供給の補助・ 安定化」、「ノイズの抑制」等の役割を果たし、スマートフォン、タブレット、PC 等の電 子機器のほか、各種自動車電装部品に搭載されている。
(2)足元、スマートフォン向けの販売低迷等により MLCC 需要は調整局面となっているが、通信機器の高機能化、自動車の EV 化や自動運転化、第 6 世代移動通信システム(6G) の実用化等により、市場は今後大きく成長していくものと想定している。
(3) 東邦チタニウムは、2017 年 12 月及び 2021 年 4 月、若松工場にニッケル粉工場を建設し生産能力の 増強を行ったが、今後も更なる需要の拡大が見込まれる。そのため、小型・大容量 の MLCC に対応できるニッケル粉の供給体制を強化するため、新工場を建設することにした。
<新工場の概要>
投資額:約 94 億円
立地:若松工場(福岡県北九州市若松区響町1-62-1)
生産能力:既存生産能力に対して約 20%増 ※
スケジュール:2025 年度完工、営業運転開始
なお、新工場は今後更に生産設備を追加できる建屋、インフラ設
備を含んでおり、追加した場合は、既存生産能力に対して約 40%
増となる。