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ナブテスコ、22年売上は3.0%増の3,087億円、23年予想は9.8%増の3,390億円

 ナブテスコが2月10日に発表した2022年12月期(1〜12月)の連結業績によると、売上高は前年比 3.0%増の308,691百万円となった。建設機械向け油圧機器において中国市場での需要が大幅に減少したものの、産業用ロボット向け精密減速機において高い需要が継続したことに加え、円安による為替効果もあった。営業利益は同39.7%減の18,097百万円となり、売上高営業利益率は5.9%となった。油圧機器での減収による減益に加え、コンポーネントソリューション事業における原材料費高騰、アクセシビリティソリューション事業における電子部品不足や海外プラットホームドア案件でのコスト増加等の影響を大きく受けた。また、㈱ハーモニック・ドライブ・システムズの株価変動に伴う評価損を計上したこと等により、税引前当期利益は同84.5%減の15,763百万円、 親会社の所有者に帰属する当期利益は同85.4%減の9,464百万円となった。

 ナブテスコ2022年データ

■セグメント別業績

<コンポーネントソリューション事業>

 コンポーネントソリューション事業の受注高は、 前期比4.3%増加し146,870百万円となった。売上高は、同1.8%増加し140,629百万円、営業利益は、同30.5%減少し15,919百万円となった。

 精密減速機は、主にEV関連への旺盛な設備投資を背景に、産業用ロボット向けで高い需要が継続したことにより売上高は前期比で増加となった。

 建設機械向け油圧機器は、中国市場での大幅な需要減少により、売上高は前期比で減少となった。

<トランスポートソリューション事業>

 トランスポートソリューション事業の受注高は、 前期比19.0%増加し78,476百万円となった。売上高は、同4.7%増加し70,950百万円、営業利益は、同19.5%増加し6,714百万円となった。

 鉄道車両用機器は、MRO(Maintenance, Repair, Overhaul)は堅調に推移したものの、国内及び 海外市場において新車向け需要が低迷し、売上高は前期並みとなった。

 航空機器は、防衛省向けでの輸入調達品納入遅延等の影響があったものの、民間航空機向けで需 要回復もあり、売上高は前期比で増加となった。

 商用車用機器は、国内において顧客の減産影響を受けたものの、東南アジア市場での需要拡大に より、売上高は前期比で増加となった。

 舶用機器は、造船・海運市場が好調に推移したことにより、 売上高は前期比で増加となった。

<アクセシビリティソリューション事業>

 アクセシビリティソリューション事業の受注高は、前期比15.3%増加し86,839百万円となった。売上高は、同4.6%増加し78,561百万円、営業利益は、同63.0%減少し2,830百万円となった。

 自動ドア事業は、国内での建設需要の端境期であったことに加え、電子部品不足の影響を受けたものの、海外での円安効果もあり、売上高は前期比で増加となった。

<その他>

 その他の受注高は、前期比19.6%減少し17,513百万円となった。売上高は、同1.4%減少し 18,551百万円、営業利益は、同45.8%減少し1,484百万円となった。

 包装機は、製品売上・MROともに電子部品調達難の影響を受けたものの、売上高は前期並みとなった。

■今後の見通し

 2023年12月期連結業績は、精密減速機や舶用機器で前期に引き続き好調な需要が見込まれることに加え、自動ドア事業では国内市場において大型商業ビル向け需要の拡大、航空機器で は民間・防衛向けともに本格的な需要回復が見込まれることから、売上高は前期比9.8% 増加の339,000百万円を見込んでいる。

 また、営業利益は、増収による増益効果に加え、原材料費高騰に対する価格転嫁の進展や電子部品不足解消による生産の正常化の効果により、同44.8 %増加の26,200百万円を見込んでいる。

■セグメント別見通し

<コンポーネントソリューション事業>

 コンポーネントソリューション事業の売上高は前期比10.1%増加の154,800百万円、営業利益 は同23.1%増加の19,600百万円を見込んでいる。

 精密減速機は、前期に引き続きEV関連への旺盛な設備投資が継続し、産業用ロボット向けで高い需要が見込まれることから、売上高は前期比で増加の見通し。

 建設機械向け油圧機器は、中国市場において需要低迷が続くとともに、競合環境の激化も想定され、売上高は前期比で減少の見通し。

<トランスポートソリューション事業>

 トランスポートソリューション事業の売上高は前期比9.7%増加の77,800百万円、営業利益は 同13.2%増加の7,600百万円を見込んでいる。

 鉄道車両用機器は、引続き国内で新車向け投資の抑制が見込まれ、売上高は前期比で減少の見通し。

 航空機器は、民間航空機向け、防衛省向けともに需要の回復が見込まれ、売上高は前期比で増加の見通し。

 商用車機器は、顧客の減産影響が緩和すること、東南アジア市場の需要が引き続き堅調に推移することを見込み、売上高は前期比で増加の見通し。

 舶用機器は、引き続き造船・海運市場が好調に推移することを見込み、売上高は前期比で増加の見通し。

<アクセシビリティソリューション事業>

 アクセシビリティソリューション事業の売上高は前期比8.6%増加の85,300百万円、営業利益は同165.0%増加の7,500百万円を見込んでいる。

 自動ドア事業は、電子部品不足の影響が解消され、国内市場において都市再開発による大型商 業ビル向け需要の拡大が見込まれることやプラットホームドアでコロナ影響による需要停滞からの回復も見込まれることから、売上高は前期比で増加の見通し。

<その他>

 その他の売上高は前期比13.7%増加の21,100百万円、営業利益は同61.7%増加の2,400百万円 を見込んでいる。

 包装機は製品売上・MROとも自動化・省人化ニーズを受け好調な需要を見込み、電子部品不足による影響の緩和も見込まれることから、売上高は前期比で増加の見通し。

 ナブテスコの2022年12月期 決算短信

 セグメント詳細

 

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