㈱安川電機 は1月10日、2023年2月期第3四半期(2022年3〜11月)連結業績によると、売上収益は、4,075億20百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益481億32百万円(同20.5%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は371億89百万円(同20.8%増)となった。
■第3四半期の経営成績
このような環境において安川電機グループの業績は、半導体など長期化する部品の供給不足によって生産制約の影響を受けたが、期の後半から需給逼迫の緩和などによって生産が回復し、好調な受注を売上につなげることで増収となった。利益面 については、原材料費や物流費の高騰影響 を受けたものの、売上増加に伴う採算性の改善や為替の円安影響に加え、退職年金制度の変更など によるその他の収益もあり、営業利益は前年同期比で増加した。 これらの結果、売上収益・営業利益は第3四半期としては過去最高を更新した。
なお、第3四半期における地域別の経営環境は以下のとおり。
米国:自動車やオイル・ガス、半導体関連などの設備投資が期を通じて拡大し、一 般産業においても人件費高騰などを背景とした 自動化投資が継続するなど、 需要は高い水準で推移した。
欧州:期の後半にかけて景気減速の影響が懸念されたものの、自動車や木工機械な どを中心に設備投資が継続するなど、需要は底堅く推移した。
中国:EV化の加速を背景に自動車・ニューインフラ関連など、一部の市場で需要は 堅調に推移した。その一方、コロナ禍におけるロックダウンやゼロコロ ナ政策などにより、 一般産業を中心に市場全体の設備投資は伸び悩んだ。
中国除くアジア:韓国を中心に半導体市場の設備投資が期の後半から減少したものの、自動車 やリチウムイオン電池関連などの需要は総じて高い水準で推移した。
■ セグメント別の状況
<モーションコントロール>
モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成 されている。
中国においてロックダウンやゼロコロナ政策などの影響を受けた一方、米国を中心に半導体やオイル・ガス関連などの積極的な設備投資が継続したことから、売上収益は前年同期比で増加した。利益面においては中国での売上減少に伴う利益の減少や、グローバルでの原材料費や物流費の高騰影響などにより減益となりました。
〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕 米国・日本などで半導体・電子部品の需要が高い水準で推移した。中国ではリチウムイオン電池関連や太陽光発電用パネルなどの成長市場において需要が堅調に推移したものの、一般産業を中心に設備投資は低迷した。これらの結果、事業全体の売上収益は増加した。
〔インバータ事業〕 米国においてオイル・ガス関連の需要が大幅に増加したほか、グローバルで脱炭素化(カーボンニュートラル)を意識した省エネ化投資が加速するなど、販売は好調に推移した。
<ロボット>
売上収益1,618億34百万円(前年同期比+23.5% )/営業損益176億61百万円(前年同期比+50.3% )
ロボットセグメントの主要市場である自動車においては、グローバルでEV化が加速し、新規の設備投資が増加するなど販売は好調に推移した。また、リチウムイオン電池関連の生産設備の投資を拡大する動きが継続したほか、食品市場などの一般産業分野においても、生産の高度化・自動化を目的 とした投資が行われた。さらに、半導体向けロボットの販売も日本・韓国などで堅調に推移した。 これらの状況を受け、売上収益・営業利益はともに前年同期比で大幅に増加した。
<システムエンジニアリング>
売上収益347億77百万円(前年同期比△9.3% )/営業損益8億 6百万円(前年同期比△38.4% )
鉄鋼プラントや上下水道用電気システム関連の売上が伸び悩んだ一方、太陽光発電用パワーコンディ ショナの販売は伸長した。この結果、セグメント全体の売上収益は前年同期比で減少し、利益面 においては経費抑制を徹底したものの減益となった。
<その他>
売上収益223億64百万円(前年同期比+48.6% )/営業損益5億73百万円(前年同期比 +114.2% )
その他セグメントは、物流サービス事業などで構成されている。売上収益は前年同期比で増加し、営業利益は売上拡大に伴う採算性の改善により増加した。
■ 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2022年12月1日から2023年2月28日までの期間における平均為替レートについては、足元の為替状 況を考慮し、米ドル、中国人民元を第2四半期決算発表時点の計画から見直し、1ドル=140.0円か130.0円、1元=20.0円から19.0円とする。ユーロ、韓国ウォンは同計画のとおり、1ユーロ=140.0円、1ウォン=0.100円を想定している。
なお、2023年2月期通期連結業績予想については、第4四半期の想定為替レートを円高方向に修正した影響があるものの、部品の需給逼迫の緩和による生産増加などを織り込み、2022年10月7日に以下の公表した計画を据え置いた。
売上収益5,500億円(前期比14.5%増)、営業利益700億円(同32.4%増)、税引前利益7200億円(同30.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益515億円(同34.3%増)。
また、年間配当予想についても変更はない。