日揮ホールディングスは1月6日、海外EPC事業会社である日揮グローバルが韓国サムスン重工業と共同で、マレーシア国営石油会社が同国サバ州沖ガス田向けに計画している同国初となるニアショアFLNGプラント建設プロジェクトを受注したと発表した。
同プロジェクトは、ペトロナス社がマレーシア国サバ州沖合いのガス田向けに、同国では初となるニアショアかつ3基目となるFLNGプラントを新設するプロジェクト。FLNGプラントは同ガス田から集積・前処理されたガスを利用し、産業パーク沿岸で年産200万トン以上のLNGを生産する予定。同プロジェクトは、日揮グローバルがリーダーとなり、主にFLNGトップサイド(LNG生産プラント)の設計・調達・試運転、陸上付帯設備のEPCCおよびプロジェクト全体の管理を担当し、共同受注者である韓国サムスン重工は主にFLNG船体のEPCおよびトップサイドのファブリケーションを担当する。
今回の受注にあたっては、日揮グループのFLNG分野におけるトップクラスの実績と卓越したEPCC遂行能力、およびサムスン重工業の同分野における高い造船技術によるものであり、加えて日揮グループの卓越したプロジェクトマネジメント能力に裏打ちされた強力なリーダーシップが基本設計役務、およびEPCC入札において発揮された結果と考えている。
日揮グループは、1980年代からペトロナス社が保有するサラワク州ビンツル地区のLNGコンプレックス(年産約2,900万トン)のLNGプラント9系列全てを建設してきたほか、近年では、これらプラントの生産性を向上に向けた業務もペトロナス社と共同で実施してきた。加えて、サムスン重工と共同でペトロナス社にとって2船目となる深海ガス田向けとしては世界初のFLNGプラントを2021年に完工するなど、ペトロナス社との信頼関係と実績を築いてきた。
また、日揮グループはFLNG分野では上記のペトロナス社向けFLNGプラントをはじめ、2022年11月にモザンビークのENI CORAL FLNGプロジェクトにおいてLNGの初出荷を達成するなど、世界で稼働中の新造FLNGプロジェクト4件のうち3件のEPCプロジェクトに従事してきた。さらに、現在ナイジェリアのUTM FLNG社向けのFLNGプロジェクトの基本設計役務を遂行するなど、FLNG分野におけるリーディングコントラクターとしての地位を確立している。
日揮グループは、引き続きトランジションエネルギーとしての重要性が増すLNGの事業計画の実現に向けて、これまでの経験・実績に加えて高い遂行力と技術力を活かしながら貢献していく。
<プロジェクトの詳細>
契約先:マレーシア国営石油会社(ペトロナス社)
設置予定地:マレーシア国 サバ州 シピタン石油&ガス産業パーク沿岸部
役務内容:年産200万トン以上のニアショアFLNGプラント
(浮体式LNG生産施設)に係わる設計、調達、建設工事および試運転(EPCC)役務
受注金額:非公開(一部報道では日揮HDの受注額は1,000億円超)
納期:2027年