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日本製鋼所、超大型マグネシウム射出成形機 JLM3000-MGⅡeL を販売開始

 ㈱日本製鋼所は12月28日、チクソモールド法を採用したマグネシウム射出成形機「JLM-MGⅡe」シリーズについて、これまでの型締力1,300トンに続き世界最大となる、型締力3,000トン(29,400kN)のマグネシウム射出成形機 JLM3000-MGⅡeL の販売を、12月より開始したと発表した。

 「JLM-MGⅡe」シリーズは、同社によるマグネシウム射出成形機の第3世代として大変ご好評をいただいており、これまで4機種(JLM280-MGⅡe (2,750kN)、JLM650-MGⅡe (6,370kN)、JLM850-MGⅡe (8,330kN)、JLM1300-MGⅡeL (12,800kN))をラインアップしているが、この実績を基に、市場のさらなる大型化ニーズに対応したもの。

 マグネシウム合金は、軽量性、剛性、放熱性、電磁波シールド性、寸法安定性(高・低温環境でも膨張や収縮が起きない)、リサイクル性を特長とする材料。マグネシウム成形品は主に自動車や車載機器の部材として使用されるが、自動車市場ではEV化、デジタル化、ディスプレイの大型化が進んでおり、特に車載ディスプレイについては、デジタルコンテンツ容量の増加に伴う大型化や搭載枚数増加が急速に拡大している。

 また、溶解炉が無く、防燃ガスが不要な環境にやさしい工法であるチクソモールド法にて生産されるマグネシウム合金成形部品は、多くの車載ディスプレイ向けのフレームやサポートで採用され、自動車メーカーから高い評価を得ているが、今後は成形品のさらなる大型化のニーズが見込まれている

 販売を開始した JLM3000-MGⅡeL は、これらのニーズを踏まえ型締力を設定した。さらに、30年近くにわたり蓄積してきたマグネシウム射出成形機の豊富なノウハウに加え、プラスチック射出成形機で培った電動化技術を取り入れ、環境性能を追求した新たな電動型締装置を採用した。

 従来チクソモールド法の適用が困難であった大型マグネシウム部品において、高精度・高品質のチクソモールド成形品の採用が可能になり、その生産においてもクリーンで環境負荷の低い工程構築に大きく貢献する。

<発売概要>
名称:JLM3000-MGⅡeL
コンセプト:世界最大のチクソモールド法マグネシウム射出成形機
本体価格:4 億円~5 億円程度
販売見込:10 台/年程度

主な特長・仕様:
・世界最大のチクソモールド法マグネシウム射出成形機(型締力29,400kN)
・シリンダ・スクリュサイズをさらに大口径化、最大ショット重量5kg以上
・型盤寸法(H x V)3,000×2,500(mm)、タイバ―間隔(H x V)2,050×1,820(mm)

・チクソモールド法マグネシウム射出成形機として初めて電動型締装置を採用、油圧型締機構を採用した場合に比べ消費電力約20%削減(同社試算)
・型締装置の再現性向上、クリーンな生産環境・環境負荷低減を考慮した仕様設計

 同社は、マグネシウム射出成形機のリーディングカンパニーとして、更なる市場拡大が予想される自動車分野をはじめ、幅広い分野における生産性向上、成形品の高機能化・高付加価値化、環境対応など多様なニーズに応えるべく、顧客の期待を上回る製品・サービスの提供を目指して、今後も技術開発に取組んでいく。

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